高校の近所に、洋画専門の映画館がありました

 

封切り館ではありません

しかし、「二番館」「三番館」だけでもない、

館主の趣味で公開作を決めていると思われる、

いわば名画座のような味わいと言うか、

不思議なラインナップを上映する映画館でした

 

 

ある日、そこのポスターを見て、

「カッコイイ、これ見に行こう」と思ったのが、

「ワイルド・エンジェル」(1966年制作)

 

主演はピーター・フォンダ

 

 

ピーター・フォンダはこの映画の出演経験から、

後にアメリカン・ニューシネマの代表作

「イージー・ライダー」(1969年)を制作

 

左から、

デニス・ホッパー(監督、脚本、出演)

ピーター・フォンダ(制作、脚本、出演)

ジャック・ニコルソン(出演)

 

 

日を改めて、

いそいそとチケットを買って映画館に入ったのですが、

「ワイルド・エンジェル」は上映されませんでした

上映期間を終えていたようです

 

 

上映されていたのは、

「愛情物語」(1956年)

1930〜40年代に活躍したポピュラー音楽系ピアニスト、

実在の人物エディ・デューチンの物語

古き良き時代のハリウッド映画

出演は、タイロン・パワー、キム・ノヴァク

 

ショパンのノクターンが良かった

 

 

「愛情物語」を見終わっても、

実はまだ自分の間違いに気付いていませんでした

 

休憩を挟んで、スクリーンに映し出されたのは、

 

 

「ベニスに死す」(1971年)

ルキノ・ビスコンティの紛うことなき名作です

原作はトーマス・マン

出演は、

ダーク・ボガード、ビヨルン・アンドレセン

シルヴァーナ・マンガーノ

劇中に流れる、マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」が有名

 

カッコイイ、ハーレーのチョッパーバイク映画を見たかったおバカな私には荷が重かった

 

憂鬱な音楽と、

何やら湿っぽそうな外国の街をウロウロする変な紳士

 

耐えきれずに、途中で映画館から逃げ出しました

 

 

ビスコンティをきちんと鑑賞し、

マーラーをコンサートで聴けるようになるには、

それから、だいぶ年月が必要でした

 

 

 

それにしても、「愛情物語」と「ベニスに死す」

ものすごいカップリングです

因みに館内はガラガラでした

 

 

 

さて、肝心の「ワイルド・エンジェル」ですが、

今日に至るまで見られていません

 

名画座に掛かるほどの映画でもなく、

レンタルビデオはあったのでしょうか?

 

調べてみたら、Blu-rayも販売されているようですが、

今更買いたいとは思いません

 

 

 

 

バイクに憧れたおバカな高校生のお話でした