今年は「ゴッドファーザー」(Part1)公開50周年

 

 

それを記念して、

「ゴッドファーザートリロジー50thアニバーサリー」なるセットを、3月25日発売するそうです

 

Part2は1974年公開、Part3は1990年公開で、ソフトは今では各々千円程度で買えるのですが、

30周年、40周年、45周年にもリマスターや特典映像など何かしらの付加価値をつけたセット物を、映画会社パラマウントは結構な値段で発売してきました

その度に買い揃える方々は本当に偉いです

 

 

1939年生まれのコッポラ監督は、30代で本作や「地獄の黙示録」(1979年公開153分)という大傑作を作ったわけですが、

1980年代以降はあまりパッとしません

3回も破産しています

1990年公開のPart3も「何だかなあ」です

 

「地獄の黙示録」は、「特別完全版」(202分)を2001年公開、2020年には「ファイナルカット」(182分)を公開しました

「ゴッドファーザーPArt3」(161分)は、ソフト化した時に編集して170分に、更に2020年再編集して「〜最終章〜」(158分)として公開

もちろんソフトもその都度販売されます

 

コッポラ監督は、過去作に手を加えては自画自賛、映画会社と共にいい商売に励みます

3回も破産するし、新作が当たらなければそうするしかないのでしょうが、

オリジナルを観て楽しんだ人はいい面の皮ですね

 

 

 

「ゴッドファーザー」を私は50年前、

新宿歌舞伎町の新宿プラザ劇場(1004席2008年閉館)で通路に座って観た覚えがあります

当時は、人気作品は席数以上に観客を入れるのも当たり前の時代でした

もちろん入場料は一緒

 

そうまでして観た「ゴッドファーザー」は上映時間177分、鑑賞時の環境が悪かったせいか、それとも単に私の頭が悪かったからか、話はボヤッとしか分かりませんでした

 

後年、レンタルビデオで観て初めて、

1945年から50年代までのニューヨークを舞台に麻薬売買を巡るマフィア達の駆け引き、ゴッドファーザーであるヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)暗殺未遂からの復讐劇、そして家業を嫌っていた三男マイケル(アル・パチーノ)が2代目に就任するまでの話をやっと理解することが出来ました

 

 

「ゴッドファーザーPart2」は2つの時代、

ヴィトーとマイケルがゴッドファーザーとして地位を固めていく青年時代を交互に描いていく、もっと分かりづらい映画でした

 

父ヴィトーのパート

1901年、シチリア島のマフィア、ドン・チッチオに親兄弟を殺されたコルレオーネ村のヴィトー・アンドリーニは、わずか9歳で単身ニューヨークに渡りました

成人したヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)は、イタリア人街の横暴な地回りドン・ファヌッチを暗殺し、顔役となっていきます

ゴッドファーザーとして成功したヴィトーは、故郷シチリア島に錦を飾り、仇のドン・チッチオを殺して復讐を成し遂げました

息子マイケルのパート

冷徹なゴッドファーザー2代目のマイケルは、勢力拡大と裏切り者(実の兄まで)との血で血を洗うような戦いに最終的には勝利するものの、家庭は崩壊していきます

 

映画は、ヴィトーの物語とマイケルの物語を交錯させていきます

上映時間は200分です

私の頭では話がごちゃごちゃになってしまいました

ビデオでのんびり鑑賞してもです

 

 

 

そんな私にピッタリなテレビ版がありました

Part1及び2を年代順に編集し直し、暴力的なシーンや性描写シーンを削除、未公開分も付け加えた420分4話のミニドラマシリーズが1977年アメリカでテレビ放送されました

 

 

日本では、1987年フジテレビが4夜に渡って深夜に放送

VHSに録画しました→ゴミになりました

1991年にレーザーディスク、VHSで「特別完全版」として発売

これは気が付きませんでした→メルカリに出品されていますがいい値段ですし、プレーヤーはもうありません

2014年CSチャンネルムービープラスでデジタルリストア、ワイド画面で放送

これをブルーレイディスクに保存しています

 

 

コッポラ監督の再編集商法は好きになれませんが、

これは気に入っています

テレビ用の編集ですので、CM挿入のタイミングと思われる暗転が多いのですが、そこは我慢です

 

まずお話が分かり易い

ヴィトーの父親の葬儀から始まり、ニューヨークで成り上がり、シチリア島で敵討ちを果たすまでを1時間余りで描いていきます

また、例えば、有名な「馬の首」のシーンは、ヴィトーが誰に命じてどう脅すか指示したことが明らかになり、

マイケルの初めての殺人のシーンでは入念な下準備をする様子が描かれています

 

そして何しろ、

1943年生まれの撮影当時まだ30歳位のロバート・デ・ニーロが最高にカッコイイ

Part2では、彼の登場シーンはブツ切れに編集されています

そういう映画なのだから仕方ありません

 

特別完全版では、上に書いたように、じっくり1時間余デ・ニーロの時代が続いていきます

幼子が病気になれば心を痛めますが、

地回りのドン・ファヌッチを冷静に観察し、理不尽な扱いにも耐え、交渉し、最後は引導を渡す

 

アカデミー助演男優賞の演技をじっくり見られます

 

 

「レイジング・ブル」や「アンタッチャブル」の徹底した役作りをするデ・ニーロはスゴいですし、

「マイ・インターン」の好々爺然としたデ・ニーロもいいですが、

黒髪をオールバックにして口髭を生やしシュッとしたロバート・デ・ニーロ

 

 

最高です

 

 

 

 

この「特別完全版」は、元がテレビ版だけに権利関係が複雑でソフト化は難しいらしい、そんな情報もあります

そうですかあ、残念です

 

面白いんだけどなあ

お薦めなんだけどなあ