1998年公開された「アルマゲドン」は、小惑星の地球衝突という危機に、アメリカ人のタフガイが我が身を犠牲にして立ち向かう、アメリカ最高!の映画でした
「見上げてはいけない」
「(真実なんか)調べるな」
幅5〜10kmの彗星が半年と14日後(クリスマス)に地球に衝突する、という情報を、2人の天文学者が報告しても、
中間選挙に不利だから、と大統領は隠蔽する
仕方がないので、2人はメディアに訴えますが、
暗いニュースは受けないし、とテレビのニュース・ショーは真剣に取り上げようとしない
大統領のお友達のNASA長官(麻酔科医)のデマ情報に、ウチは騙された、新聞社は怒って2人を追い払う
彗星を発見した大学院生のケイトが、ニュース・ショーで必死に訴える表情は、SNSで格好のネタにされる
こんな話から始まる「ドント・ルック・アップ」は、
12月10日に日本公開され、24日には早くもNetflixで配信が始まった、お馬鹿映画仕立ての作品です
しかし、出演陣の豪華なこと
レオナルド・ディカプリオ
さえない天文学者、ミシガン州立大のミンディ教授は、
イケてる科学者とテレビで持ち上げられて不倫を始め
ジェニファー・ローレンス
ミンディ教授の教え子、大学院生ケイトは、鼻ピアスで目を吊り上げてテレビで絶叫、
街中のカフェでは、地球が滅びると口走り暴動を引き起こす
メリル・ストリープ
スキャンダルの隠蔽と金儲けに走るオルレアン大統領
ジョナ・ヒル
大統領の息子でおバカな首席補佐官ジェイソン
この2人は、"DON'T LOOK UP"と書いたキャップを被り、彗星は落ちて来ない、と大嘘の選挙キャンペーンを始め
ミンディ教授と不倫するニュース・ショーの司会者ブリーの自慢は2人の元大統領と寝たこと
演じるはケイト・ブランシェット
マーク・ライランス
資産が世界第3位のIT長者、傍若無人、傲岸不遜、ピーター・イシャウェル
彗星に含まれるレアアースに目が眩み、
真実を伝える科学者たちの首を切り、
無責任な楽観論を振り撒きながら、
しっかり自分や大統領、大資本家の緊急避難ロケットを準備する
他には、
アリアナ・グランデ(性格と頭が悪そうなポップスター)
ロン・パールマン(特攻ロケットの老パイロット、古典的レイシスト、大統領のお気に入り)
ティモシー・シャラメ(ヤンキーなスケボー小僧、実は敬虔なクリスチャン、ケイトにプロポーズ)は、"DUNE"の主人公・ポールでした
お話は二転三転、詰め込み過ぎで、消化不良気味ですが、
監督、脚本、製作のアダム・マッケイは言いたいことがいっぱいあったのでしょう
二万数千年後のラストの後も、多分何かあるだろうなと思ったら案の定、映画館ならば場内が明るくなるまで観てると、へ〜、みたいなオマケ
トランプ大統領が好き人には極めて不愉快な映画でしょう
そうでないならば、一見の価値はあります