父が陽性と診断され、濃厚接触者となった私たち母子。

 

父への保健所の担当者からの説明はこうだ。

 

・まだPCR検査を受けていない(=陰性の可能性もある)家族と同居しているので、可能な限り早くホテル療養を開始するべき。

 

・ホテル療養がスタートした日を完全に隔離した日とみなすので、家族が陰性の場合ホテル療養をスタートさせた日から14日間を自宅待機期間とする。

 

保健所から指定されたホテルが自宅からかなり遠方だった。

 

行くだけで疲れて具合悪くなりそう…と思うほどだった。

 

でも、たしかに、早くホテル療養をスタートさせてほしいと思った。

 

それと同時に思ったことがある。

 

我が家では、父は症状が数日でほぼおさまり、おさまりかけたタイミングでの検査→2日後の陽性判定だった。

 

もうすでに倦怠感を残し、ほぼ元気な状態だ。

 

そして、私はその時点で無症状であったが、自分が陽性であることを覚悟していた。

 

父の症状が出る数日前に感じた喉の痛み。

 

あぁきっとあの痛みはコロナだったんだと思っていた。

 

私の喉の痛みから父の陽性判定まで1週間以上経過していた。

 

自分の喉が痛い時は子とは別々に寝たし、家庭内でマスクも着用した。

 

その代わり、まだ無症状だった父が子とべったり過ごしていた。

 

この経緯から、子は全くの無症状だがおそらく陽性だろうと、ここも覚悟した。

 

この場合、家庭内で皆陽性であり、症状はほぼなく、持病もなければ、年齢もまだ若い。

 

父だけホテル療養することに意味があるのか、疑問に思った。

 

皆で自宅療養(という名の、時が経つのをただひたすら待つ日々)すれば、よりホテル療養が必要な方に一部屋あけられる。

 

たらればを考えても仕方ないが、ただ単純に疑問だった。

 

結果、子は陰性であり、リスク軽減のためにも父だけホテル療養になりありがたかった。

 

保健所では最悪のケース(この場合の最悪がどれに当たるかは難しいところではあるが)を想定してくれているんだろうと理解した。

 

 

保健所の方々はとにかく大変だと思う。

 

対応に本当に感謝している。

 

より良い方法なんて、私には皆目見当もつかない。

 

我々のようなケースもあれば、家庭内全員陽性でほぼ症状はない、もしくはすでに軽快しているケースもあると思う。

 

ホテル療養にはかなりのコストがかかっている。無駄にはするべきでない。

 

一部の自宅療養中の陽性者には、自分の判断により外出している人もいると聞く。

 

真面目に保健所からの命令を守っている自分たちが馬鹿馬鹿しくも感じたが、正直外に出る気持ちにならなかった。

 

意図した加害者にはなりたくなかった。

 

ホテル療養の父は、早く自宅に戻りたがり、最後の方は精神が崩れかけているように見えた。

 

自宅療養の母は、買い出しもできない状況で、毎日3食を二人分準備することに頭を悩ませていた。

 

家事を一切せずに、バランスの良いお弁当が配られる父を羨ましく思ったこともあった。

 

どちらにせよ、症状がほぼない状態がまず喜ばしいことなのだが。

 

 

自宅療養とホテル療養、とても難しい問題だと身をもって感じた。