先日、入学式があってスリランカの学生からお土産をもらった。

 
 地図を見て、スリランカに旅行に行ったことを思い出す。
 
 2004年12月26日に、スマトラ沖を震源とする大地震が起こった。その時のことを調べてみると、スリランカでは3万5千人が犠牲になり、5千人以上が行方不明。負傷者も1万6千人以上。83万人の人が家を失った大災害とある。
 
 そこから一週間もたたない2005年1月の始めに、正月休みを利用して7日くらい滞在したな。予期せぬ災害で混乱の中にあったのでキャンセルが多く、団体のツアーだったのだが参加者は私一人で、ガイドさんが運転する車の助手席に座った名所を回ることになった。
 
 ガイドさんは60歳近くの方で日本語がうまく、敬虔な仏教徒で、お寺の前を通り過ぎる時は必ず手を合わせていた。コロンボ市内は亡くなった方への哀悼の意を表しているのか白い旗がたくさんはためいていて、崩れた家や土砂崩れの跡も多かった。
 
 観光名所もそれなりに回ったが、しっかりと覚えているのはシーギリヤロックと仏歯寺、毎日食べたカレーだな。その時の写真を見ればいろいろな思い出がよみがえると思うが、当時はデジカメがあったのか、持っていなかったのか分からないがフィルムのカメラで、写真は中国の故郷においてあるから、簡単に見ることができない。
 
 
 スリランカの学生は、20年前に旅行に行った話をすると、目を輝かせて「どうでしたか?」と聞いてくる。やはり自分の国に行ったことがある人をみると親近感が湧くのだろうな。シーギリヤロックのすごさや、カレーのおいしさの話は喜んで聞いてくれるが、大地震の話は何も知らない。
 
 そうか、もう20年も前なのかと、あらためて月日の流れの速さを思う。
 
 いま留学生はネパールからの学生が多いが、ネパールにはブッダの生まれたルンビニーがあっても、なぜだか仏教徒はほとんどいない。お土産をくれた学生もあの時のガイドさんと同じで敬虔な仏教徒と話してくれた。
 
 
 中国の故郷においてある、アルバムを見ながら昼から一杯やりたいな。いつになったらビザなし旅行へ行けるのだろう。