5月12日は母の日だった。

 
 微信の投稿を久しぶりにのぞいたら、母への感謝の言葉があふれていた。どこに遊びに行ったとか、おいしいものを食べたとか、そういった普段の投稿は見ないのだが、こういった特別な日の感謝の言葉は、心が洗われるような気がして見てしまう。
 
 微信に登録してある友達は、中国にいたときの学生達で、年齢はバラバラだったが20代が圧倒的に多かった。この1.2年で結婚した学生や、子供が生まれた学生もいて、月日の速さを感じさせられるな。恋人なんていらないと言っていた学生が、子供を抱えて嬉しそうに笑っている。
 
 中国にいた時、日本人より中国人の方が、家族に対する思いが強いと感じていた。いま教えているアジア出身の学生たちも、親に対する気持ちが強いと感じる。日本との差は何だろうな。
 
 ネパール出身の学生から、「アルバイト先で、70歳過ぎてる、おじいさんやおばあさんが仕事してるが、子供たちは何をしてますか?」と質問された。同じ質問を、スリランカやベトナム出身の学生からも聞いたことがあるが、いつも返答に窮してしまう。
 
 子供を育てあげ、頑張った後は、悠々自適な老後生活を送るべきだ。子供は親に楽にさせないといけない。そのために仕事をするのではないのか。と、まだ上手じゃない日本語で聞いてくる。
 
 教師という仕事をしているから、尊敬されるべきと考え、「親を大切にしましょう。母の日に電話してください」なんて、自分が出来なかったことを偉そうに話してるが、学生から気が付かされることの方が多いかもしれない。
 
 母の日の前日に娘を連れだして、プレゼントの洋服とケーキを買いに行き、娘にも「お母さんを大事にするように」と、話したが、思春期の入り口にいる娘はめんどくさいだの、なんだのと、協力的ではなく寂しかった。

 4月に入学してくる学生の入国がほぼ終わった。いろんな国から、いろんなものを背負って、いろんな学生がやって来た。私の背負うものも増えるが、2年後の幸福のために、揺らぎなく背負わねば。