日曜日の朝

6時半。

まだ平和な世界の

窓をあけ

軒先にサンダルで立ち

小皿にたっぷりカリカリを入れました。

仕事に行く前に
ゆうべ入りそこねた風呂に入ろうと
湯をためながら


出かける準備や軽い食事の用意をしながら
一瞬たしかに


クワッ・バサ・チンッ


という音がどこかからしたのだけれど、
なんだい騒がしいねぇ
ぐらいの気持ちで
準備を続け

そそくさと入浴も済ませて、
部屋に戻ったときです。

曇り硝子の
窓越しに

いつもと違う色が
軒先に
見えたのです。

胸騒ぎがしました。
ああ

まさか。

窓をあけると

赤茶けた色が
一面に
散らばっていました。

定位置にあるはずの
箱も小皿も
吹き飛ばされたようになっていました。

わたしは理解しようと努めました。


コンクリートに
冷酷なまでに
散らばっている
赤茶けた
カリカリを
眺めつつ。


猫の仕業ではありません。

暴れる理由がないからです。

さっき耳にした音


『クワッ・バサ・チンッ』

ってやつ。

あれは襲撃です。

カラスの襲撃です。

きっと
うちの軒先を度々訪れる猫たちの姿を
カラスは見下ろしていたのかもしれません。

何かしらの食べ物があるのだろうと
気づいたのでしょう。

カラスは
おそらく
軒先に舞い降りて
箱ごと小皿を
くちばしだか羽根だかで弾き飛ばし
カリカリを
コンクリートに撒き散らしたのです。