夕方。
仕事中。
じいさんが
じいさんちのリモコンを使って
じいさんちのテレビのチャンネルを
変えていく。
じゃんじゃん変えていく途中、
一瞬だけ、
三秒くらい
画面、
モーガン・フリーマンが映る。
テーブルで
向かいあい、
30歳前後と思われる白人女性と
シリアスな話しを
してる
そのしたに
淡々とモノローグの
字幕。
テレビ画面の右上のほうに
ケーブルテレビのチャンネルと
映画の名前が
粛々と示されている。
それは観たことない映画で、
でもタイトル聞いたことある映画だった。
僕は
リモコンを押し続ける
(容赦なくモーガン・フリーマンは舞台から姿を消されるわけだ)
じいさんに
異議を唱えることもなく
先ほどのタイトルをすばやく記憶にこすりつけて
(結果、チンピラっぽい邦画が流れる部屋にて)
仕事に邁進して
遂行して。
もう
帰るところだけれど
僕はきっと今夜
モーガン・フリーマンの
あのテーブル越しの
話の
続きを聴くために
東京の端っこ、
いつも店じゅうがくたびれたような光でくすんでいる
レンタルショップの
きっと電磁波だかなんだかをあしらったゲートをくぐって、
DVDを借りに行くことに決めたよついさっきのことさ
(と
いうのはきのうの
夕方で、
果たして
近所のレンタルショップでは
モーガン・フリーマンは
貸し出し中。
僕は手ぶらで
部屋に帰った次第でありました)