• 浮島式と諸磯式は成立した当初よく似ていた。 しかし、次第に地域色が顕在化し、浮島式・興津式と諸磯式はことなる特徴を有し、明確に分布圏も分かれてゆく。

 


 

 

 

興津 I 式 

  • 変形爪形文爪形文が多用されるものや、平行沈線と爪形文を持つものが特徴

 

 

興津I式(興津貝塚@茨城美浦村) 口唇部に粗い刻み目。胴部全体に連続爪形文と並行条線文が交互に施されている。

 

 

144 興津 I 式 (興津貝塚@茨城稲敷郡美浦村) 高43.3cm. 口径60cmという大型の鉢。文様は、口縁部に短い条線文をめぐらし、その下に半裁竹管による何種類かの平行する連続爪形文で胴部文様帯を構成している。さらに、下胴部には、アナダラ属の貝殻腹縁を利用して、波状の貝殻文が施文され、徹底した平行線の美しさを表現している。

 

 

185 興津I式(興津貝塚@茨城美浦村)高30.2cm. 胴部上半に櫛歯条線文が4条施される。口唇部に粗い刻み目が付けられている(大木5式の鋸歯状装飾体の影響か)

 

 

 186 興津I式(興津貝塚@茨城美浦村)高29.8cm. 口縁部に向かって単純に開く器形の深鉢。口唇部に粗雑な条線文帯をもち、3条の押捺を施した隆帯が口縁部をめぐる。胴部には、この上に3列の爪形文がめぐらされる。なお、隆帯文の間に部分的に有節沈線が施される。

 

 

 

興津 II 式

  • 貝殻文と沈線文で曲線的な文様が描かれるのが特徴。

 

興津II式(興津貝塚@茨城稲敷郡美浦村)

 

 

 

興津II式(上台貝塚@市川市)