数日前の後楽園ホールで開催されたプロボクシングの興行で、華々しくKO負けした選手がいたので個人的な感想を書いてみます。


その選手はデビュー戦を勝利で飾り、気分良く次戦を戦ったものと思われます。試合そのものよりも、リングに上がる前までのカッコや、SNS配信などにもエネルギーを割いていたようです。


その選手からすれば、負けた選手は一段下に見えていたのかも知れません。いっぱしの格闘家もどきになって他の選手の講評をしてみたり、持論をSNSで発信するなどしていました。


試合では、リングインまでの面構えや立ち振る舞いは一流を気取っていました。が、カッコが良いのは試合が始まる前まで。試合が始まると攻撃よりもカッコつけて顔を揺らしてパンチを外すようなことをしてました。


華麗にパンチを避けているのなら何にも言いませんが、相手のジャブを避けきれずにそこそこもらってました。何がしたいのか判然としない戦いぶりで、ジリジリと下がらされ、相手からのこねるようなパンチをもらいグラつきました。


脳が揺れたのでしょう。ボーッとして棒立ちになったところへ強打の連打を顔面に打ち込まれ、リング上で大の字になってノバされてしまいました。


ゼンマイ仕掛けの人形が、リングロープに絡められながら崩れ落ちでいくようでした。破壊されたような崩れ方だったので、レフェリーはノーカウントで試合を止めました。


試合そのものよりも、試合に至るまでの過程での自分自身に酔い、カッコを気にして実力以上のものを演出しようとしていて、試合で化けの皮が剥がされたように思えました。


日々コツコツと練習し、試合に勝つことだけを考えてカッコなんか気にしていない、そんな真面目で愚直に努力している格闘家が好きです。


試合が始まるまでのカッコつけよりも、試合そのものの内容で観客の心を掴む戦いをするのが一番大事なんじゃないかな、と思います。


真剣勝負のリングには、実力が伴わない虚飾のカッコつけなど一切不要と思いましたので投稿します。😎