2022年に結婚したカップルのうち
マッチングアプリによっての出会いからが22%にもなってて
5組に1組はマッチングアプリが結婚のきっかけなんですよ。
ってのがイイ夫婦の日ってことだったらしい昨日、
ニュースになってましたね。
 
(へー。時代だなぁ。)
ってありふれた感覚がフワッと脳を過って、
(しかし、時代が変わるスピードが早いよなぁ。)
ってチョイとスカした感覚を脳で生み出して
(までも、時代って巡るんだよなぁ。)
ってワイドショーのコメンテーターが適当に発するようなことを思ったりしました。
 
 
昨日、ずいぶんと前にオヤジに貰ったジャケットを着て出かけました。
オヤジというのはワタシの実の父親のことでして
認知症が進行してて週に6日デイサービスさんにお世話になってて
ワタシの名前も忘れちゃって会話が難しくなっちゃった
昭和9年生まれで88歳のオヤジ。
 
まだ、ボケちゃう前に貰ったんです。
正直なところ、いらなかったんですよね。
趣味はちょっと違うし
身長もワタシと15cm以上は違う感じだし、
まだ前職にあった時でスーツやらをユニフォームみたいにして着てる時期でしたから
ジャケットも自分のもんでそこそこ揃ってもいるし、
(いらない。)
という感じだったんですけど
「これなら、真一着れるんじゃないかなぁ」
「ちょっと着てみ」
なんて言われて(着るだけは)って感覚で着てみたら
袖は短いんだけど(着れなくはないな。)って感じで、
それでも(いらない。)って感覚は変わらなかったんですけど
子どものころから3人もいた兄からのお下がりばっかり着てたけど
オヤジのお下がりって、、、
(ないな。)
ってことに気が付いて、
ここは貰ってあげることも親孝行みたいなもんかなと思って
「着れそうだから貰っとくわ。」
って言って貰ったジャケット。
でも、着る機会なんかは全くイメージが湧かない頂きものだったことを覚えている代物でした。
 
昨日は久々にジャケットくらいは着てくべきかなって機会のある日で、
黒や紺やグレーやらのジャケットたちのなかに
ベージュのそいつが目に入ったというか視覚障害の問題もあって
黒・紺・グレーなんかは区別が難しいんです。
そこにいるベージュは目立つわけで、目立ってて。
(あ、あれね、あ、キミね、どうもどうも。)
って感じで着てみたら、あん時と同じ
(着れなくはないな。)って。
ただ、昨日のそれはサイズ感だけの話ではなくて
 
着れる→着てくか→悪くないか。
これ着れるのか→これ着れる歳になったのかな。
オヤジのか→それもなんか悪くないな。
 
(ん。)
(着れなくないな。)
そんな感じでした。
 
そんな日の夜。
大学つながりで知り合った飲み友たちとの飲み会があって
その中の26歳女子に
「そのジャケット良いね」って。
言ってもらったんです。
この女子、社交辞令なんぞは容易く使いこなすツワモノなんですけど
ワタシの顔色をとらえて「ごぼう」だなんて呼ぶようなやつでもあるので
ワタシにつまらんおべっかは言わないとして
真に受けちゃっても良いかなってことなら
オヤジを褒めてもらったような気がして。
 
(歴史って巡ってるな)って思えたり
(オレとオヤジで巡ったな)って思えたりで。
(悪くないな)って。
 
 
オヤジとおふくろは、お見合いで結婚してるんです。
お見合いって写真によって容姿を明らかにして
プロフィールによって人となりを明らかにして
興味があるようならお会いしてみましょう。
って仕組みですよね。
(あ。)
(マッチングアプリじゃんね。)
って。
ツールは歴史によって変わったけど
システムの本質は変わってない。
巡ってますよね。
 
 
昨日の夜のことをオヤジに話しても
残念ながら伝わらないでしょうし、
伝わらなくても良いかなって。
その代りに、
このジャケットを羽織った若かりしオヤジは
(誰とどこでどんな話をしたのかな?)
(このジャケットにどんなパンツや靴を合わせたのかな?)
なんてことは想像なんて今までしたことなかったけど
生地は古ぼけてもデザインが古ぼけちゃいないジャケットを通して
体験させてもらったことのなかに
ちょっとしたオヤジに対する感謝みたいなのがあったりもして
このブログに(こんなことがあったよ)ってことを残しといたら
いつか
なにか
巡んないかなって。