脳の病気を発症して、手術をした病院で目覚めた時、不自由になった手足は悪い人の企みによって 、別の人の手足と付け替えられちゃったんだと思ってました。
当時、言葉を発することもできなかった私はいつか言葉が出るようになったら、別の人の手足を私の手足に取り替えてもらおう、そうしたら元通り動くようになるものだと思っていました。
手術した病院を退院して、リハビリ病院に入院した当初は、まだ別の人の手足だと思っていました。 入院して徐々に、手足も人から人へ手術で移植するなんて、しかも動く手足から動かない手足に変えるなんて、マンガやSF映画じゃないんだから今のこの世の中じゃ、絶対無理だと分かりました。
動かない右の手足も、 声が出てこない口も、食べることができない口も、すべて私のものなんだと理解しました。
今は口で食べられるようになったし、たどたどしい喋り方で言おうと思ったことがあまり出てこないけど、 声は出るようになりました。