予備校講師時代、そこそこの収入はあった。
でも幸せだったかと言えば、
ノー。
二度と戻りたくはない。
収入は予備校のと家庭教師センターが2つ。
あと自分の家庭教師のやつ。
最後の方は高校教員が入った。
高校教員のいいところは夏と冬のボーナスが支給されること。
一回20万円くらい。
さらに予備校は合宿がある。
3日ぐらいで50万円。
多い時で月200万円いっていた。
でも二度とやりたくはない。
理由は2つ。
人生を他人に依存する生活だ。
全部他人任せだ。
現在、予備校業界自体が存続が厳しい状態だ。
沈没船に乗っていて何もできない乗客だ。
死刑執行の日が近付いても何もできない。
もう一つは、電車。
もう拷問。
満員電車で肩がぶつかる。
足を踏まれる。
隣の酔っ払いが倒れてくる。
よくできたな。
今同じことをやれと言われたら、
できない。
それをしなくていい生活を知ってしまった。
収入は激減。
でも、生活できるレベルは維持している。
今日も家から一歩も出ない生活が続いている。
もうすぐ昼だ。
ヤオコ―ネットスーパーで注文した品が届く。
窓の外は川が流れ、20mもあろうかという立派な大木の枝葉が風で揺らいでいる。
買え置きしたコーヒーのボトルを開いて飲む。
そして法律の勉強。
いつのまにか理想の生活をしている。
嘗ての予備校の同僚は地獄だろうな。
こちらも余裕があるわけではない。
次の目的地行きの最終列車に飛び乗れただけだ。
まだ次の駅にもついていない。
ついたところでうまく保障もない。
でも、取り敢えず沈没寸前の船から脱出できた。