二人で市役所に行き
婚約届けをもらいにいった
婚姻届ではなく婚約届け
今はあまりないが
今の男の状態ではまだまだ
結婚は出来ないので
少しでも彼女を安心させたくて
婚約届けをもって家で二人で書いた
彼女は微笑みながら布団を干していた
男は微笑みながら心の中で不安が積もっていた
彼に会ってから男は自分に自信をなくしていた
その夜また彼女が発熱に苦しんでいた
男はいつものように起きて彼女を介抱したが
いつもの発熱の様子ではなかった。
最近発作や発熱はあったが比較的
以前よりも体調は良さそうだったのに
彼女は今まで以上に苦しんでいた
その時男は病院に連れていこうとした
タクシーを呼ぼうとしたが
本当に本当に今でも後悔しているが
お金がなかった。給料日前日
他のお金は彼女の口座に預金で入っている
男は気が動転してなぜか彼に電話をかけた
彼もびっくりしてすぐに車を出して
来てくれたその日の事を
男は一生忘れない夜になる
彼は彼女を見た瞬間大声を男に吐いた
「なんで救急車呼ばねぇんだよ」
「俺が来るまでずっと放置してたのかよ?」
男は気がついた。なぜ救急車を呼ばなかったのか
何も出来なかった手を握ってる事しか
出来なかった
病院は近かったのでそのまま
彼の車に乗り病院につき
彼女は2.3日検査入院になった
癌の方ではなく子宮の方の
病気関連であった。
病院を出たあと長い夜が始まった
彼男を車に乗せ走り出す
家は近いから歩いて帰ると言ったが
話がしたいと言われた。
男は逃げ出したかった
彼は平常を保った雰囲気を出しながら
静かにキレていた
彼車を走らせまず言ってきた
「いまフリーターなんだよね?」
「年収いくら?」
きた。
男同士の話は大体こういうものだ
完全に彼は男を潰しにきている
「今離婚したから俺が言うのもなんだけど」
今でも言われたことをあまり思い出したくない
とにかく惨めだった。無念だった。
色々言われた
「まだ若いからわからないと思うけど」
「社会に出たらわかると思うけど」
何より一番辛かったのは
「彼女の病気の正式名所言える?」
「彼女は普段の生活で何を
気を付けなきゃいけないの?」
「養っていけるの?」
「子供にこんな事言ってもしょうがないよね」
「まだ若いんだから未來はあんのに
いま君が苦労することじゃないよ?」
辛かった悔しくて悔しくて泣きそうだった
彼が言っている事が正しいからだ
そして男は自分が普段彼女に対しての
愛情は誰にも負けていないと思っていたが
彼の方が彼女へ対する思いが勝っていた
何も言い返せなかった
そして婚約してから彼が会いに来るのを
鼻で笑っていた自分が恥ずかしくて余計に
悔しかった
自分の愛情は彼の愛情に完全に負けていた
それが大人と子供の違いだった
彼は10年も彼女と一緒に居たのだから
それは男より知っていて当然だが
家族の絆というものはすさまじかった。
彼はまるで今まで言いたかった事を
言ってとても遠回りをして
家の前で男を降ろした
車を降りたあと男は少しの間
その場から動けなかった。