「よくまぁ、90年も生きたものねぇ。」
「体には感謝だわねぇ。」

92歳の女性がこうおっしゃいます。
重みがあります。

ご縁あって、10日に一回ほどのペースで訪問施術をさせていただいております。

ボケなどとは縁遠く、服薬ゼロの92歳。


「日本はこれからますます大変ね。」
「人が育たないものね。」
「銀行にお金を預けててもいいことないわよ。」


耳は遠くなったけど、テレビで的を得た情報収集。

「…と、私は思うのよ。」

と話しの最後につけることを忘れない。


説教でもない、ぼやきでも愚痴でもない。
長くこの国で生きてきた方の説得力のある持論。

お伺いして、お話をお聞きすることが私の楽しみにもなっています。


最近、96歳のおじいちゃんにもお願い、という嬉しいリクエストをいただき、お二人へ順番に。

アロマオイルは手足に。服を着たまま手と足をじっくり。
足や腰、軽く揺らしの施術を取り入れて。

90年も命を受け渡してきた身体に触れさせていただくことへの感謝。畏れ多いのであります。


「足がポカポカになりました。」
「膝が冷えていたのね、あったまったら痛みがひいたゎ。」(冷房は肘、肩、膝を冷やすので要注意です!)
「施術のあと、その日トイレでお便りが二回も!」(おじいちゃんは便秘気味)

「当たり前に呼吸ができるようになりました。当たり前に呼吸ができるって、ありがたいねぇ。」「施術を受けた日は、夜、ぐっすり眠れるんですよ。」
「来てもらう日が楽しみなのよ。」

「老人ホームに入るように孫に勧められるけど、そしたらこういうマッサージ受けられないでしょ?」
  


ありがとうございます。
セラピスト冥利につきます。


ご高齢のお二人の体の負担にならないように、優しい「お手当」。


少しでも呼吸が楽になりますように。
少しでも足の冷えがなくなりますように。
少しでも身体中の流れが良くなりますように。

お二人とのご縁は、私の大きな大きな宝物です。

当たり前に呼吸ができる。
とても有り難い事なのだと、優しく教えていただきました。

「自分の体にもお中元あげなきゃね」と施術時間延長のリクエスト。

ああ、あなたの生き方、考え方、なんて素敵なんでしょう。
見習います。