ルームシェアが始まってから3日がたった。
私はこの新生活に
毎日ウキウキしていた。
掃除、洗濯、ごはん。
世間では女性の仕事だと言われている
"家事"とやらを
実際自分がどれだけできるのか。
完璧ではないけれど
意外に楽しむことができていた。
先輩は相変わらず、ドライ。
一緒に住み始めたからといって
無駄に気を使ってくるわけでもなく、
なにかを要求してくるわけでもなく、
むしろ話しかけてくることすら
ほとんどない。
不満もストレスも全くなく、
なんとも快適な生活だった。
ただ。
ただ、不満はないけれど、
不安があった。
それは、夜の事情についてである。
もちろん、
男女のうんぬんかんぬんではなく、
寝る場所についてである。
ルームシェアをする前から
同じベットで寝ることは何度もあった。
だからいまさら、
同じベットで寝ることに抵抗はない。
そう、抵抗はないのだ。
しかし、
何故だか先輩は
ソファで寝るのである。
今まで同じベットで寝てきたのに。
私は眠たくなったら、
先輩に「おやすみ」と告げて、
当たり前のようにベットに向かう。
そのうち先輩もくるものだと思って。
だけど、先輩は来ない。
朝までソファで寝ているのだ。
どうしてだろう。
なんでだろう。
気遣ってるのかな?
狭いから嫌なのかな?
なんだか、急に、申し訳なくなった。
急に先輩の家に住み着いて
ベットまで占領して、
先輩の寝る場所はソファ。
もちろん、快眠できるわけはない。
朝起きて、首が痛いとよく言っている。
いや、申し訳なさすぎる。
いくら図々しい私でも
さすがにこれは申し訳ない。
え、あたしもしかして
めっちゃ邪魔?
いや、なにをいまさら。
そんなこと始めから
分かりきっていた。
いや、わかりきってい、た、け、ど、も。
え、言いたいことわかるよね?
え、今まで一緒に寝てきたじゃん?
え、じゃぁ別に
一緒に寝たらいいじゃん!!!!!
日頃、特に悩みのない私は
これが悩みのタネになった。
いや、ほんとに。
一緒に寝たらいいじゃん。