●2021年9月末頃から、ビールを飲むと、つかえた様な感じで、吐いてしまう。以後、ゲップが頻発し、吐き気が悪化して、食欲もなくなり、食べれなくなっていく。

 

●2021年11月15日に、地元の総合病院で、胃カメラ検査。食道胃接合部に腫瘍が見つかる。腫瘍の細胞を採取し、病理検査に出す。さらに、CTスキャンで、胃壁が厚くなっていることも確認。

 

●2021年11月29日に、ガン告知。線ガンだった。胃の上部にガンが見つかった場合は胃全摘になるとの事。私は、まだ54歳なのに、なぜ、と、受け入れがたかった。

 

●2021年12月8日に、検査入院。胃カメラで、厚くなった胃壁の細胞を5か所サンプリング。病理検査に出す。

 

●2021年12月21日

・手術入院。12/8に行った胃カメラの病理検査結果を聞かされる。胃壁には、ガン細部は見つからなかったとの事。ただ、サンプリングが、ガン細胞に当たらなかった可能性もある。

・手術に体が耐えられるか心肺機能の検査をした。

 

●2021年12月22日

・執刀医から手術説明。腹腔鏡手術で、ルーワイ法の手術を行う。胃は全摘し、周囲のリンパ節も広く切除。病理検査に出すとの事。胃はスライスして断面を観察し、ガン細胞がないか確認する予定。

・胃透視検査を行う。造影剤を飲んで、胃のレントゲン撮影。

 

●2021年12月23日に手術。運搬用のベッドに寝かされて手術室に運ばれる。モニターがあるステンレス張りの広い部屋。手術台に移動。恐怖と極度の緊張感。麻酔医が背骨の間に麻酔薬を注入。意識が無くなる。

麻酔医に、「起きてください」と声をかけられて意識が戻る。ベットで病棟に運ばれる。

 

●2021年12月23日の手術日以後、体に付いたチューブ類が徐々に取れて行く。

①背骨の間に麻酔の注射針。(術後2日目に外される。)

②心電図。(術後4日目に外される。術後に頻脈が出たらしい。)

③尿カテーテル。(術後4日目に外される。)

④鼻から小腸までのドレン。(術後4日目に外される。付いている間、苦痛だった。)

⑤血栓予防のため足のマッサージ機。(術後5日目に外される。)

⑥お腹のドレン。(術後12日目に抜き取り。穴は、3日間ぐらいで自然に塞がるとの事。廃液は、始めは血液で、それが薄くなっていく。量は、12/31:40ml 1/2:15ml 1/3:17ml 1/4:18ml。)

⑦総合電解質輸液KN3を24時間点滴と抗生剤点滴。(術後13日目に外される。腫れてしまい、12/29に右腕が左腕に付け替え。1/2に左腕から右腕に付け替え。12/31に逆流も起こった。)

 

●2021年12月24日(術後1日目) リハビリ。看護師とリハビリの先生が、体中に付いたチューブとタンクを手押し車に乗せ換えた。私は、それを押しながら廊下を歩く。初めは歩くのがやっとだった。以後、午前と午後、廊下を歩くリハビリが継続。

 

●2021年12月27日(術後4日目)

・執刀医から説明。手術は成功。手術時間は、6時間見込んでいたが、8時間半の大きな手術だった。内臓脂肪が多く手術の手間となったのと、食道胃接合部ガンの位置が胸部側にかかり難易度が高かったとの事。

・鼻のドレンから造影剤を流して、手術部位のレントゲン撮影。

・腸内細菌を整える顆粒を、自分で100mlの水に溶かして、朝、昼、夕に飲む。100ml飲むのも大変で7~8回に分けて飲んだ。

・術後、思うように身動きが出来ず、看護師さんに体を拭いてもらうのだが、お○んちんも洗われていた。それも、今日まで、以後は自分でやる。

 

●2021年12月29日(術後6日目)から、三分粥の食事が始まる。1日3回は、1回当たりが私には量が多すぎた。1日5回に分けた頻回食にしていただいた。しかし、小腸に食べたものが残っているのに、朝食8時、頻回食10時、昼食12時、頻回食15時、夕食18時と食事が出てきてしまう。食欲がなく、吐き気を我慢しながらの食事はつらい。ゲップも頻発した。たくさん残したり、吐いたり、手が付けられなかったりもした。

ただし、まったく食べられないと、最悪は首にカテーテルを入れて栄養補給が必要になるとのこと。

 

●2021年12月30日(術後7日目)

・採血2回。

・術後、初めてのうんち。

・執刀医、栄養士と面談。

・輸血450ml(採血の結果、貧血だったため。)

・一時的に鉄剤の服用。

 

●2022年1月3日(術後11日目) 栄養士と面談。私の希望で付けていた栄養補助食品が合わなかったので、それをを変える。

 

●2022年1月4日(術後12日目)

・貧血の改善を確認するため採血。結果、改善が見られた。

・手術の傷のホッチキス外し。

 

●2022年1月5日(術後13日目)

・固形食に移行するが、食後、吐いてしまった。相変わらず、食事が苦痛だ。

・ティッシュを大量に使うようになった。食事が混ざったり、泡のつばが出るゲップ、痰が止まらない。

 

●2022年1月7日(術後15日目)

・執刀医と面談。

・栄養士から栄養指導。食べられるようになるまで、半年から1年間かかるらしい。長すぎる。

 

●2022年1月8日(術後16日目) 退院日。

・排便時に、うんちが硬くてなかなか出ない。出かかって止まっているので、止めるわけにもいかない。思わず、声に出してしまった。それが看護助手達に聞こえてしまい噂話となってしまった。「出る、出ない、うぉー。ってやばくない。お尻が切れちゃうよ。」と話しているのが聞こえてきた。立つ鳥後を濁す。

 

・病室は、窓際の部屋で、晴れた空に救われた。電動リクライニングベッドと、広い清潔な病室が快適だった。

・病室は、雑菌の増殖を防ぐためか、極端に湿度が低く、息をするのが不快だった。私の置き時計は湿度が計れるのだが20%以下は測定不能。低すぎて測定不能だった。

・正月休み中も面倒を見て頂いた看護師達に感謝。手術で全力を尽くしていただいた先生に感謝。

・大病院より、医療スタッフと患者の距離感が近く、要望を相談出来た。

・有料でテレビが見れるが、当然、イアホンをしなければならず、そこまでして見ようとは思わなかった。

・21時消灯、6時起床なのだが、まず眠れない。見知らぬ人と同室ということもあるが、何も出来ず動かない事が大きい。毎日、孤独と不安に耐える長い夜だった。

 

・退院。18泊19日の入院だった。

・体重の変化。体調不良になる前、去年夏97㎏、入院時85㎏、退院直後81㎏。

 

・退院後、スーパーに行く。お弁当は、今の私には量が多すぎる。1/4以下が適量。しかも揚げ物は食べられない。自分は他人と違ってしまったんだと実感した。

・自宅に帰る。掃除をして布団を干す。19日間使っていなかった布団が、ふかふかになった。

・電気ストーブを付けているが寒い。室温13度、湿度37%。それでも、極端に湿度が低い病院より息がしやすい。摂取カロリーが少なくなって、体力が低下しているのか、寒さがこたえる。

・19日間ぶりの入浴。すっきりとした。ただ、浴場を出ると、やばいくらい寒い。叔父がこれで亡くなっている。

・父がすい臓がんで闘病し亡くなった時、私は寄り添わなかった。今になってやっと父の気持ちが分かった。申し訳なく思った。

 

・療養食を調理。うどん半玉と、惣菜の里芋煮込み。食べると、吐き気、食事が混ざった痰、ゲップが出て辛い。とても基礎代謝量以上のカロリーを摂取出来そうにない。

水分補充も苦痛で、量が減ってしまうので、ドロドロ血にならないように気を付けないといけない。胃が食欲ホルモンを出すのだが、無いのでお腹が減らないし、食事が苦痛なので、油断すると食べないだろう。しっかりと自己管理しなければならない。

・摘出した胃とリンパ節の、病理検査の結果からステージが決まる。リンパ節にガン細胞の転移が見つかれば、抗がん剤治療が始まることになる。そろそろ出る結果を、憂鬱な思いで、私は待っている。

いつか、笑って暮らせる日が来ます様に。

 

これから同じ手術をする方のために書きました。参考になれば幸いです。