スクーリング2日目 | 刺繍design

刺繍design

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教室に入ると、真ん中にトイレットペーパー、コーヒーカップ、ワイヤーや三角形の発砲スチロール、シュレッダーの紙にスニーカー、角砂糖ざっとこれだけ、全部白いものが置いてありました。

初日はこれをみて感じたことをクロッキーするということでした。
鉛筆は使えないので色を使わないわけにはいきません。

みんなつぎつぎと触って、それぞれ描き始めましたが、わたしは途方にくれていました。触るに気にもなれず、感情なんて何も浮かばないのです。

困った私は、もしこれらが生きてたらなんていうだろう。どんなアドバイスや行動するだろうと思いました。そうして思いついたことを色紙を使ってクロッキーしていきました。

それが、あの空を飛んでいくトイレットペーパーや、角砂糖と人間模様、進撃の巨人ならぬ進撃のスニーカー、ストレス発散に利用される可哀想なコーヒーカップです。

夕方の講評で、先生から、ストーリーは面白い視点だが、ストーリーが前に出ると感情が後ろに下がるといわれました。

帰ってから、私はなぜあのクロッキーをしたのか考えました。私は空想癖でもお話し好きでもありません。
ただみんなはスニーカーみて、ハイキングを連想したのに私はできなかった。綿を触ってもふわふわ感のイメージが膨らまなかったのです。

スニーカーがスニーカーじゃない。
綿が綿らしくない。
コーヒーカップが楽しいお茶の時間に使えない。
ワイヤーなのにワイヤーじゃない。

パラックスー
なぜかそんなことを感じました。
トイレットペーパーもスニーカーもそれ単体の時は、十分それを意識できた。
しかし、白で集められた集団になるとそうは思わない。なぜ集まるとそうは思えないのか。

没個性。
その時、衝撃が走りました。
そのやうに見える私自身がそうなのではないかと。

私なのに私でない。
集団になると私ではなくなる。

焦りや不安、苦しみという言葉が浮かんで来ました。
つまり、これらから掻き立てられた感情は葛藤だったのです。

2日目は、葛藤という感情表現を考えました。

何枚も描きますが思うようなアイデアはでません。そして絵には背景が必要でした。真っ白な画用紙の真ん中にぽつんと絵はないのです。
その背景という設定も考えないといけませんでした。

午後になり、みんな本作に入ります。しかし4時を回ってもまだ私はスケッチブックに下絵を描いていました。

とうとう先生がやってこられました。
先生は行程を見ておられます。
でも私が何を描きたいのかはご存知ありません。
ただ全体的な絵のタッチは一貫していることは知っておられるので、明日の講評までに間に合うやうに進めることだけ言って向こうへいかれました。

そうこうしてようやく仕上がり、本作に入りました。
5時少し前でした。
本作のサイズはB2です。スケッチブックの4倍もあるわけですから大変です。
しかし何をどうするかはもうさっきのエスキースが仕上がった時点で決めてました。

まず私以外の人たちを描いていきます。
色を作り、キャンバスにのせていきます。先ほどとは色味が変わりました。灰色だったのは古い苔のような緑になりました。次に作った色味はどちらかというと赤みをおびていました。これも古くなった小豆のようです。

それを幾つか置いて、白を混ぜてつぎつぎと描いていきました。
お年寄りと子供ようだな。。そう思って振り向くと先生がおられました。

最初は怒っておられるのかと思いましたが、そうではないことに気づいたのは少し後からでした。
最後に描いたエスキースを見て、君はこれを描くのかね?と尋ねました。
私はエスキースの説明をしました。
私は葛藤を描きたいこと、そしてこの角砂糖は人間であること。その他いろいろ話したくてたまらなくなりました。

すると、先生は絵が説明してはならない。なのでこれはいっそのこと描かない方がいい。このまま描き進めてみなさい。描き終わった後、後から絵が何か語りだすかもしれない。そう言って離れていきました。

思わぬ展開にあっけにとられました。
それから私は、もう白がなくなって来ていたので画材店に急いで出かけました。