彼らは日本企業の多くが内需依存型ということを無知ゆえに、または意図的に無視して一般人の可処分所得を奪おうとしている。車を買わせるためにたくさんの給料を与え、結果的に世界企業となったフォード自動車の例に倣えば、この政策によって日本の内需は益々毀損することになるだろう。
柔軟な働かせ方、と言えば何となく聞こえは良さそうだが、単純に日本の良質な人材にタダ乗りしたい、余剰の時間を有効に回すことが思いつかない、という無能の表明に他ならない。会社が終身雇用と給与の維持向上を保証すれば、社員はその会社を潰すようにタダ乗りしようとはしないだろう。新たな商品やサービス、ビジネス、市場を獲得するべく知恵を絞るだろう。
この答申に関わっている人は、自分がタダ乗りしたいから他人もそうだと考えているのだろう。かつての日本の大企業の草創期にこんなことを言い出す経営者はいなかった。だからこそ社員は給与以上に働いたのだ。
日本人を知った、日本を訪れた外国人が一様に言うのは仕事に対する意識の高さだ。監視のないところでも職分を全うする労働の質の高さをこうした経営者達は何と低く評価するのだろう。
モノが売れないのは商品が悪いのでも、高いのでもない。買う金を経営者が支払わないようになったからだ。営業を叩き、生産を叩くのはやめて、強制的に一様に給与を上げ、雇用維持のハードルを上げ、一般派遣を禁止したらいい。少子化もデフレもGDPの伸び悩みも全て数年で解消するはずだ。