あなたは小学校4年生になりました。
既に小学校生活の半分が終わり、いよいよ後半戦に突入です。
さて、4月から新学年が始まるに当たり…
何と言っても、まずは「クラス替え」が大きなテーマになりますよねぇ。
そう…
あなたが、ある一人の親友と…
果たして新学年でも同じクラスになるのか、はたまた別々のクラスになってしまうのか…
そんな彼女は…
あなたがおそらく、これまでの短い人生において最も仲良くしている友だちであり…
またあなたのお母さん曰く、「まるで恋人みたい」というくらい親密な友だちであり…
この3年間はずっと同じクラスで過ごし、いよいよ次こそは離れ離れになるんじゃないか？…と思われていた友だちであり…
ですから…
私やあなたのお母さんは、ことの顛末がどうなるのかを固唾を呑んで見守っていましたよ。
すると…
なんと！また同じクラスになったみたいですねぇ…4年連続ですかぁ、そんなこともあるんですねぇ。
まああなたも今回ばかりは、かなり嬉しそうにしていました。
そんな中…
私はてっきり、今度こそあなたが彼女と別々のクラスになるものだとばかり思っていたので…
それはそれで非常に良い人生経験になるだろうな…とか、密かに考えていたのですが…
今回はちょっと拍子抜けしちゃったな…というのが正直な感想です。
でも…
あなたが喜んでいる姿を見てしまえば、それはそれで運命なんだから素直に喜べば良いよね…
というのもまた、今の私の偽らざる気持ちです。
ところで…
あなたとその友だちは、ファッションとか美容に大きな関心がある…という共通点で強く結びついてるみたいで…
何やら、将来は同じ美容系の専門学校に進もうとか…そんな会話までしているそうですね。
いやぁ…小学校3年生とか4年生でそんな話までするもんなのでしょうか？
スゴいですよねぇ…大人っぽいというかマセているというか…
私がそのくらいの年頃なんて、もっとガキっぽいことしか考えてなかったような気がしますし…
でも私は…
そうやって自らの意志を持って、それを行動に移そうとすることは…非常に良いことだと思うのです。
だって、何と言っても一番悲しいのは…
「何もしたいことがない」とか、「何をしたら良いのか分からない」とか…
自らの意志を持つことすら出来ない…という事態なのですから。
そういう意味では…
ここ最近のあなたは、将来「ネイリスト」になりたい…とか言い続けてますけど
まあそういった夢が、これからも変わらないままずっと続いていく必要なんてないと思いますし…
年齢に応じて、その時々に「これをしたい」とか「こうなりたい」とか自由気ままに意志を抱いて…
たとえそれが世間的にはどれだけ幼稚なことであったとしても、そうやって自身の未来に思いを馳せるっていうことは…
人間にとっては、おそらく最も大切な素養じゃあないかと思う訳です。
特に今の時代は、そういう自由な未来を思い描くのが難しい世の中になってますからね。
親がこう言うから…とか
先生がこう言うから…とか
周りがこう言うから…とか
様々な現実を無理矢理押し付けられて、それにがんじがらめにされて…
しかし…
かと言って、もちろん完全なる自由なんてものはこの世に存在しない訳であって…
どうしても…
生まれた国の環境とか…
生まれた家庭の環境とか…
所属する学校の環境とか…
そういったものの影響を完全に排除して、フリーな状態で自身の未来を思い描くというのは…どうあがいても不可能であることに疑いの余地はない訳です。
それでも…私や、あなたのお母さんや、あなたの兄二人が…
決して逃れることの出来ない周囲の環境とか現実とかいったものたちと、時にはぶつかりながらも何とか折り合いをつけつつ…
その中でも決して妥協することなく、またそこで自らの自由意志を放棄することもなく…
あくまでも自らの自由意志に基づいた行動を起こし続けること。
そうやって日々を生きている私たち家族の姿勢を、何気なく無意識のうちに感じ取ったあなたが…
無限の可能性が広がるあなた自身の未来に対して、あくまでも無邪気に自由意志を抱き続けること…
なーんて…
そんなことを切に願う私なのでした。
いやぁ、しかし…ネイリストですかぁ…
まあ美容系の専門学校に行くのは非常に良いと思いますけど、せっかくだから同時に美容師の資格も取って欲しいですね…私とすれば
もしそうなれば、私の散髪は死ぬまであなたにやってもらえる訳ですし…何と幸せなことか
何なら今の家をリフォームして、美容院兼ネイルサロンにしちゃいましょうか！
なんて、妄想が膨らんでしまう私なのでした。
それにしても…
ガチンコで受験の王道を歩んできた、あなたの上の兄と…
生ぬるい中学受験と、その後の生ぬるいエスカレータの10年間を歩んできた、生ぬるいあなたの下の兄と…
どうやら、イイ感じで自由気ままに進んで行きそうなあなたと…
そんな三者三様のあなたたちを観察し、また三者三様の子育てを楽しむことが出来る喜びを噛み締める…
そんな新年度の始まりなのでした。