呼吸機能を維持していくことはALSなど神経筋疾患では大事なことですね。
前回のブログにも書いたように
私やまいもは約2年前に呼吸障害の症状を自覚しました↓
(筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン→こちら)
そして症状を自覚して思ったことは、
なるべく早くバイバップを使いたいということでした。
バイパップはマスクを使用して換気を補助する機械です。
この機械です↓【ResMed S9 】
非侵襲的陽圧換気という意味で
(Noninvasive Positive Pressure Ventilation : NPPV)
とよばれることもありますね。
一般に呼吸障害の予防には
呼吸法(深呼吸や口すぼめ呼吸)、リラクゼーション、
ストレッチなどの呼吸リハビリテーションが重要です。
またLICトレーナー(詳しくは→こちら)
のようなリハビリ機器もあります。
感染の予防、痰の管理も重要です。
こうしたなかで
どのようにバイパップ(NPPV)の使用するかという点については
ガイドライン(→こちら)では
人工呼吸法のひとつとして記載されていています。
また呼吸補助に関する基準についての記載は次のようになっています。
つまり呼吸補助の基準に達したら、人工呼吸法を考慮しその際に
バイパップ(NPPV)の使用するかどうか考慮するという記載です。
しかし、私やまいもはこの基準は遅すぎる
ALSではもっと早期にバイパップを使用するほうがいい
と思っています。
といことで
私がバイバップを早く使った理由を書きます。
10こになってしまいまいました。
ちょっと前置きが長かったですね。m(_ _ )m
なお現在、夜間のみ7-8時間使用しています。
ALS患者の私が早期にバイバップを使う10の理由です。
呼吸補助の効果がある
呼吸を補助してくれるので、呼吸が楽ーになります
呼吸筋を休ませることができる
呼吸を補助をしてくれている時間は呼吸筋は少ない労力で動きます。その間、疲労が回復します。ですので日中の呼吸は非常に楽です。
深い睡眠がえられる
熟睡できます。呼吸が楽だからです。
睡眠中に低酸素をおこすことがなくなる
喉周囲の筋肉が弛緩し無呼吸をおこし、睡眠中に周期的に低酸素血症になることがあります。これは体に負担になります。バイパップはもともと睡眠時無呼吸症で使われる機械なので無呼吸を防ぎ低酸素血症を防止します。
活性酸素(ラジカル)の発生を抑える
周期的におこる低酸素血症は活性酸素いわゆるラジカルを発生させます。
活性酸素はALSの病因にも関与しているので要注意。ラジカットは活性酸素などのラジカルを消去するお薬ですね。低酸素を繰り返すことでラジカルが発生します。低酸素血症から正常酸素に戻るときに特に多く発生するようです。バイパップは低酸素血症の周期的な発生を防止し、ラジカルの発生を防ぎます。
無気肺を予防できる
無気肺は前回ブログで解説しました。
バイパップは圧をかけて空気をおくるので無気肺を予防効果もあります。
奇異性呼吸運動を防止できる
筋力は落ちた部分では呼吸運動が奇異性になることがあります。要する息をすったとき、本来肺はひろがるべきなのに逆にへこんでしまうような運動をおこします。これを奇異性呼吸運動といい、呼吸の効率をおとします。バイパップは圧をかけて空気をおくるので吸気にへこむ運動を防止します。
いつでも使用できる、いつでもやめることができる。
使用の時間は医師と相談して決まるのですが、私は基本は夜間に使用していますが、今後日中の調子の悪いときがあれば、そのときにも簡単に使用できます。
早期に導入したほうが、バイパップになれることができる。
呼吸障害が進行して呼吸困難感が強い時期に、緊急的にバイパップを使用する場合、バイパップに合わせることが難しい場合があります。一気に高圧の空気が喉頭、咽頭にはいることで呼吸を合わせることが難しいと思います。
早期に低い圧で短時間の使用からはじめるほうが適合しやすくなります。
バイパップの早期使用がALS患者の予後をよくするかもしれない。
最近の論文で発表されたことですね。このような考えはガイドラインにも少し書いてありますが、この論文でより明確に書かれていますね (詳しくは→こちら) 。研究の今後の進展を待ちたいとおもいます。なお原著論文(英文)は→こちらです。原文のほうが正確なので英語の得意なかたはお読みください。
以上、長文になりました。
お読みいただき感謝いたします。m(_ _ )m