誰もいなくなった夕暮れの公園
木の葉がベンチに舞い降り
砂場の砂を風が掬っていく
小さくハミングする私の声は
夕闇に融けあいながら
明日への希望をまた謳ってる

 

空がきれいだ
ぶらりと街に出る
さして刺激的なこともなく街は平和だ
少し冷たい風が気持ちよくて
空気も秋の陽に輝いている
ゆっくりと時間が流れる
歩くわたし
どんなに心泡立ててみたって
日常はそれなりに繰り返していく
目の前の信号が何度目かの青に変わった

 ♪通りゃんせ 通りゃんせ


ふふっ、ドンマイドンマイ
風と語っただけの午下がり

 

©Kanon


やわらかに霞む
秋の真先を
風が撫でていく
童子の産毛を慈しむように
慈愛深くわたしは謳う
乳色の季の中で
 

©Kanon
 

 

肩肘張ってるその心がわかるから
何も言わない
崩れまいと
心の脆さと闘っているのがわかるから
何も言わない 
けれどいつしか
雲は流れ時はゆく
今は悲しみのつるべを落とすとき
影が夕闇へ融けるように
朝には朝の風が吹くように
心をほどき
少しだけ顔を上げ
少しだけ胸を張ろう
つるべ落としの秋の日に

 

写真 terumichan

詩   Kanon