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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合と右課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間

 

 

              課税処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和50年(行ツ)第93号

【判決日付】      昭和51年5月6日

【判示事項】      課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合と右課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間

【判決要旨】      課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間は、課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合においても、異議申立についての決定があつたことを知つた日又は決定の日から起算すべきである。

【参照条文】      行政事件訴訟法14

             国税通則法75-1

             国税通則法75-3

             国税通則法76

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集30巻4号541頁

 

 

行政事件訴訟法

(出訴期間)

第十四条 取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

2 取消訴訟は、処分又は裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3 処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤つて審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があつたときは、処分又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をした者については、前二項の規定にかかわらず、これに対する裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したとき又は当該裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

 

 

国税通則法

(国税に関する処分についての不服申立て)

第七十五条 国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める不服申立てをすることができる。

一 税務署長、国税局長又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く。) 次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て

イ その処分をした税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求

ロ 国税不服審判所長に対する審査請求

二 国税庁長官がした処分 国税庁長官に対する審査請求

三 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分 国税不服審判所長に対する審査請求

2 国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長又は国税庁長官がその処分をしたものとそれぞれみなして、国税局長がしたものとみなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものとみなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。

一 国税局の当該職員 その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長

二 国税庁の当該職員 国税庁長官

3 第一項第一号イ又は前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他その請求が適法にされていないものを除く。次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

4 第一項第一号イ又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

一 再調査の請求をした日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合

二 その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合

5 国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。

(適用除外)

第七十六条 次に掲げる処分については、前条の規定は、適用しない。

一 この節又は行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定による処分その他前条の規定による不服申立て(第八十条第三項(行政不服審査法との関係)を除き、以下「不服申立て」という。)についてした処分

二 行政不服審査法第七条第一項第七号(適用除外)に掲げる処分

2 この節の規定による処分その他不服申立てについてする処分に係る不作為については、行政不服審査法第三条(不作為についての審査請求)の規定は、適用しない。

(不服申立期間)

第七十七条 不服申立て(第七十五条第三項及び第四項(再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く。第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

2 第七十五条第三項の規定による審査請求は、第八十四条第十項(決定の手続等)の規定による再調査決定書の謄本の送達があつた日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3 不服申立ては、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

4 第二十二条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、不服申立てに係る再調査の請求書又は審査請求書について準用する。

 

 

『ここからはじめる国際法 -- 事例から考える国際社日本の関わり』有斐閣

 

身近なテーマから国際法を考えよう

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Introduction to International Law Focusing on Japan in International Society

 

国際法

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身近な生活とは関わりが薄いと思いがちな国際法を,最新のニュースや写真・図表を取り掛かりとして解説。国際法が自分の住む社会と具体的にどう関係しているのかを意識して,正確に学ぶことで,自分と自国の行動が国際社会でどういう評価を受けるか適切に理解できる。

 

 

コメント

国際法の主要なテーマが、簡潔にまとめられている。

 

 

目次      

第1章 国際法のダイナミズム

第2章 国家とその基本的権利と義務

第3章 国際法の法源

第4章 外交と国際法

第5章 国際義務の履行確保

第6章 国際紛争処理

第7章 国際法と国内法の関係

第8章 領土と国際法

第9章 海洋法

第10章 空と宇宙の国際法

第11章 国際経済法

第12章 国際環境法

第13章 国際人権・難民法

第14章 安全保障

第15章 軍縮・軍備管理・不拡散

第16章 武力紛争法

 

 

芸能タレントの労働者性についての本件通達に基づいてY1の労働者性を否定したX社の主張は失当であるとされた例

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第33606号

【判決日付】      平成28年7月7日

【判示事項】      1 被告Y1は,原告X社の指揮監督の下,時間的場所的拘束を受けつつ,業務内容について諾否の自由のないまま,定められた労務を提供しており,また,その労務に対する対償として給与の支払いを受けているものと認めるのが相当であり,したがって,本件契約に基づくY1のX社に対する地位は,労働基準法および労働契約法上の労働者であるというべきであるとされた例

             2 芸能タレントの労働者性についての本件通達に基づいてY1の労働者性を否定したX社の主張は失当であるとされた例

             3 Y1の本件契約に基づくX社に対する地位は労働者ということになるから,本件契約が締結されてから1年以上が経過してからされた本件申出は,Y1がX社を退職する旨の意思表示ということができるのであって,これにより本件契約は解除されたというべきである(労働基準法137条)とされ,X社の損害賠償請求が棄却された例

【掲載誌】        労働判例1148号69頁

 

 

労働基準法

第百三十七条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

 

共同相続と登記

 

 

登記抹消事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和35年(オ)第1197号

【判決日付】      昭和38年2月22日

【判示事項】      共同相続と登記

【判決要旨】      (1)甲乙両名が共同相続した不動産につき乙が勝手に単独所有権取得の登記をし、さらに第三取得者丙が乙から移転登記をうけた場合、甲は丙に対し自己の持分を登記なくして対抗できる。

             (2)右の場合、甲が乙丙に対し請求できるのは、甲の持分についてのみ一部抹消(更正)登記手続であつて、各登記の全部抹消を求めることは許されない。

             (3)甲が乙丙に対し右登記の全部抹消を求めたのに対し、裁判所が乙丙に対し一部抹消(更正)登記手続を命ずる判決をしても、民訴法186条に反しない。

【参照条文】      民法177

             民法898

             民法249

             不動産登記法63

             民事訴訟法186

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集17巻1号235頁

 

 

民法

(共同相続の効力)

第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。

第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。

 

(共同相続における権利の承継の対抗要件)

第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。

 

 

民事訴訟法

(判決事項)

第二百四十六条 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。

個人タクシー事件・個人タクシー事業の免許申請の審査と公正手続

 

 

行政処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和40年(行ツ)第101号

【判決日付】      昭和46年10月28日

【判示事項】      個人タクシー事業の免許申請の審査と公正手続

【判決要旨】      道路運送法3条2項3号に定める一般乗用旅客自動車運送事業である一人一車制の個人タクシー事業の免許にあたり、多数の申請人のうちから少数特定の者を具体的個別的事実関係に基づき選択してその許否を決しようとする場合には、同法6条の規定の趣旨にそう具体的審査基準を設定してこれを公正かつ合理的に適用すべく、右基準の内容が微妙、高度の認定を要するものである等のときは、右基準の適用上必要とされる事項について聴聞その他適切な方法により申請人に対しその主張と証拠提出の機会を与えるべきであり、これに反する審査手続により免許申請を却下したときは、公正な手続によつて免許申請の許否につき判定を受けるべき申請人の法的利益を侵害したものとして、右却下処分は違法となるものと解すべきである。

【参照条文】      道路運送法3-2

             道路運送法6-1

             道路運送法122の2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集25巻7号1037頁

 

 

道路運送法

(種類)

第三条 旅客自動車運送事業の種類は、次に掲げるものとする。

一 一般旅客自動車運送事業(特定旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業)

イ 一般乗合旅客自動車運送事業(乗合旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)

ロ 一般貸切旅客自動車運送事業(一個の契約により国土交通省令で定める乗車定員以上の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)

ハ 一般乗用旅客自動車運送事業(一個の契約によりロの国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)

二 特定旅客自動車運送事業(特定の者の需要に応じ、一定の範囲の旅客を運送する旅客自動車運送事業)

 

(許可基準)

第六条 国土交通大臣は、一般旅客自動車運送事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。

一 当該事業の計画が輸送の安全を確保するため適切なものであること。

二 前号に掲げるもののほか、当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること。

三 当該事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。

 

 

行政手続法

(審査基準)

第五条 行政庁は、審査基準を定めるものとする。

2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

 

(弁明の機会の付与の方式)

第二十九条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

 

 

 

国税通則法五七条による充当は同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たるか(積極)

 

 

裁決取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成4年(行ツ)第183号

【判決日付】      平成5年10月8日

【判示事項】      一 国税通則法五七条による充当は同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たるか(積極)

             二 国税通則法三七条による督促は同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たるか(積極)

【判決要旨】      一 国税通則法五七条による充当は、同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づぐ処分」に当たる。

             二 国税通則法三七条による督促は、同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たる。

【参照条文】      国税通則法5

             国税通則法75-1

             国税通則法37

【掲載誌】        訟務月報40巻8号2020頁

             最高裁判所裁判集民事170号1頁

             判例タイムズ863号133頁

             金融・商事判例958号20頁

             判例時報1512号20頁

             税務訴訟資料199号215頁

 

 

国税通則法

(充当)

第五十七条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金等がある場合において、その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなつている国税(その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等である場合にはその納める義務が当該信託財産責任負担債務である国税に限るものとし、その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等でない場合にはその納める義務が信託財産限定責任負担債務である国税以外の国税に限る。)があるときは、前条第一項の規定による還付に代えて、還付金等をその国税に充当しなければならない。この場合において、その国税のうちに延滞税又は利子税があるときは、その還付金等は、まず延滞税又は利子税の計算の基礎となる国税に充当しなければならない。

2 前項の規定による充当があつた場合には、政令で定める充当をするのに適することとなつた時に、その充当をした還付金等に相当する額の国税の納付があつたものとみなす。

3 国税局長、税務署長又は税関長は、第一項の規定による充当をしたときは、その旨をその充当に係る国税を納付すべき者に通知しなければならない。

 

(国税に関する処分についての不服申立て)

第七十五条 国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める不服申立てをすることができる。

一 税務署長、国税局長又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く。) 次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て

イ その処分をした税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求

ロ 国税不服審判所長に対する審査請求

二 国税庁長官がした処分 国税庁長官に対する審査請求

三 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分 国税不服審判所長に対する審査請求

2 国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長又は国税庁長官がその処分をしたものとそれぞれみなして、国税局長がしたものとみなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものとみなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。

一 国税局の当該職員 その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長

二 国税庁の当該職員 国税庁長官

3 第一項第一号イ又は前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他その請求が適法にされていないものを除く。次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

4 第一項第一号イ又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

一 再調査の請求をした日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合

二 その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合

5 国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。

 

(督促)

第三十七条 納税者がその国税を第三十五条(申告納税方式による国税の納付)又は前条第二項の納期限(予定納税に係る所得税については、所得税法第百四条第一項、第百七条第一項又は第百十五条(予定納税額の納付)(これらの規定を同法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の納期限とし、延滞税及び利子税については、その計算の基礎となる国税のこれらの納期限とする。以下「納期限」という。)までに完納しない場合には、税務署長は、その国税が次に掲げる国税である場合を除き、その納税者に対し、督促状によりその納付を督促しなければならない。

一 次条第一項若しくは第三項又は国税徴収法第百五十九条(保全差押)の規定の適用を受けた国税

二 国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている国税

2 前項の督促状は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その国税の納期限から五十日以内に発するものとする。

3 第一項の督促をする場合において、その督促に係る国税についての延滞税又は利子税があるときは、その延滞税又は利子税につき、あわせて督促しなければならない。

 

音楽教室事件・音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者(生徒)のレッスンにおける演奏に関し上記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例

 

 

音楽教室における著作物使用に関わる請求権不存在確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/令和3年(受)第1112号

【判決日付】      令和4年10月24日

【判示事項】     音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者(生徒)のレッスンにおける演奏に関し上記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      判例秘書ジャーナルHJ100162

             ジュリスト1579号8頁

             知財ぷりずむ243号28頁

             知財ぷりずむ244号14頁

             銀行法務21 893号69頁

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人田中豊ほかの上告受理申立て理由第2について

 1 原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである。

 (1) 上告人は、著作権等管理事業法2条3項に規定する著作権等管理事業者であり、著作権者から著作権の信託を受けるなどして音楽著作物の著作権を管理している(以下、上告人の管理に係る音楽著作物を「本件管理著作物」という。)。

 (2) 被上告人らは、音楽教室を運営する者であり、被上告人らと音楽及び演奏(歌唱を含む。以下同じ。)技術の教授に関する契約を締結した者(以下「生徒」という。)に対し、自ら又はその従業員等を教師として、上記演奏技術等の教授のためのレッスン(以下、単に「レッスン」という。)を行っている。

 生徒は、上記契約に基づき、被上告人らに対して受講料を支払い、レッスンにおいて、教師の指示・指導の下で、本件管理著作物を含む課題曲(以下、単に「課題曲」という。)を演奏している。

 2 本件は、被上告人らが、上告人を被告として、上告人の被上告人らに対する本件管理著作物の著作権(演奏権)の侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権等が存在しないことの確認を求める事案である。本件においては、レッスンにおける生徒の演奏に関し、被上告人らが本件管理著作物の利用主体であるか否かが争われている。

 3 所論は、生徒は被上告人らとの上記契約に基づき教師の強い管理支配の下で演奏しており、被上告人らは営利目的で運営する音楽教室において課題曲が生徒により演奏されることによって経済的利益を得ているのに、被上告人らを生徒が演奏する本件管理著作物の利用主体であるとはいえないとした原審の判断には、法令の解釈適用の誤り及び判例違反があるというものである。

 4 演奏の形態による音楽著作物の利用主体の判断に当たっては、演奏の目的及び態様、演奏への関与の内容及び程度等の諸般の事情を考慮するのが相当である。被上告人らの運営する音楽教室のレッスンにおける生徒の演奏は、教師から演奏技術等の教授を受けてこれを習得し、その向上を図ることを目的として行われるのであって、課題曲を演奏するのは、そのための手段にすぎない。そして、生徒の演奏は、教師の行為を要することなく生徒の行為のみにより成り立つものであり、上記の目的との関係では、生徒の演奏こそが重要な意味を持つのであって、教師による伴奏や各種録音物の再生が行われたとしても、これらは、生徒の演奏を補助するものにとどまる。また、教師は、課題曲を選定し、生徒に対してその演奏につき指示・指導をするが、これらは、生徒が上記の目的を達成することができるように助力するものにすぎず、生徒は、飽くまで任意かつ自主的に演奏するのであって、演奏することを強制されるものではない。なお、被上告人らは生徒から受講料の支払を受けているが、受講料は、演奏技術等の教授を受けることの対価であり、課題曲を演奏すること自体の対価ということはできない。

 これらの事情を総合考慮すると、レッスンにおける生徒の演奏に関し、被上告人らが本件管理著作物の利用主体であるということはできない。

 5 以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。所論引用の判例は、いずれも事案を異にし、本件に適切でない。論旨は採用することができない。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

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コメント

記述のスタイルや内容からすると、主に学者や実務家向けに執筆されたと思われる。

司法試験に出題される商法(保険、海商法を除く。)に範囲を限定していない。

学生が司法試験対策として使うレベルを超えている。

 

第7班は通読したが、今回は、定商取引法51条以下の、「業務提供誘引販売業」を読みました。

 

 

 

【目次】

第1章 商人間の売買

第1節 国内売買

第1款 総説

第2款 契約の成立

第3款 商品の引渡し

第4款 商品の受領

第5款 代金の支払

第6款 動産売買に特有の代金債権担保手段

第2節 国際売買

第1款 総説

第2款 国際売買契約の成立

第3款 FOB条件とCIF条件

第4款 物品の契約条件への不適合と買主の救済

第5款 工業施設建設契約(プラント輸出契約)

 

第2章 消費者売買

第1節 消費者契約

第1款 総説

第2款 消費者契約法

第2節 販売信用取引

第1款 総説

第2款 割賦販売の規制

第3款 ローン提携販売の規制

第4款 信用購入あっせんの規制

第5款 前払式特定取引の規制

第3節 特定商取引

第1款 総説

第2款 訪問販売の規制

第3款 電話勧誘販売の規制

第4款 通信販売の規制

第5款 特定継続的役務提供の規制

 

第3章 企業金融の特殊形態

第1節 荷為替信用状

第1款 総説

第2款 信用状の開設

第3款 信用状取引当事者間の法律関係

第2節 ファイナンス・リース

第1款 総説

第2款 契約の成立

第3款 重要な契約条項

 

第4章 商品・サービスの流通に関与する諸営業

第1節 仲立人および民事仲立人

第1款 総説

第2款 契約の成立

第3款 仲立人および民事仲立人の義務

第4款 仲立人および民事仲立人の権利および権限

第2節 問屋および準問屋

第1款 総説

第2款 問屋と委託者との関係(問屋の内部関係)

第3款 問屋と相手方との関係(問屋の外部関係)

第3節 代理商および特約店

第1款 総説

第2款 重要な契約条項

第3款 契約の終了

第4款 補論(商法上の代理の特則)

 

第5章 運送営業

第1節 総説

第1款 運送契約

第2款 運送人に対する事業規制

第2節 個品運送契約

第1款 前説

第2款 契約の成立および運送品の受取

第3款 船荷証券と航空運送状

第4款 荷受人等への運送品の引渡し

第5款 運送人の責任

第6款 複合運送契約

第3節 貸切り形態の物品運送契約

第1款 前説

第2款 航海傭船契約の成立

第3款 船積港への回航と船積

第4款 船荷証券

第5款 若干の傭船契約条項

第4節 旅客運送契約

第1款 前説

第2款 国際航空旅客運送契約の成立および旅客の搭乗

第3款 国際航空旅客運送人の責任

 

第6章 倉庫営業

第1節 総説

第1款 倉庫営業者

第2款 法源

第2節 倉庫寄託契約

第1款 契約の成立および受寄物の入庫

第2款 倉庫営業者の義務

第3款 倉庫営業者の権利

第3節 倉荷証券

第1款 意義および性質

第2款 倉荷証券の交付

第3款 寄託物の返還

 

第7章 電気通信事業

第1節 総説

第1款 電気通信事業者

第2款 電気通信役務

第2節 電話サービス契約

第1款 契約の内容

第2款 契約の成立と終了

第3節 自ら電気通信回線設備を設置しない電気通信事業

第1款 電気通信事業者の義務

第2款 ユーザーの義務

 

第8章 保険業

第1節 総説

第1款 保険制度と保険業

第2款 保険契約

第2節 損害保険契約

第1款 損害保険契約の内容

第2款 損害保険契約の成立

第3款 損害保険関係の変動

第4款 損害保険事故の発生および損害の填補

第5款 保険者の代位

第6款 債権担保と損害保険

第3節 生命保険契約

第1款 生命保険契約の内容

第2款 生命保険契約の成立

第3款 生命保険関係の変動

第4款 生命保険事故の発生と保険金の支払

第4節 傷害疾病定額保険契約

第1款 前説

第2款 傷害疾病定額保険契約の内容

 

第9章 信託業

第1節 総説

第1款 信託と信託業

第2款 法源

第2節 信託業務

第1款 業務の種類

第2款 信託会社等の義務および権利

 

【事項索引・条文索引・判例索引】

 

 

 

火災保険契約の申込者が同契約に付帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分、不適切な点があったことを理由とする慰謝料請求の可否

 

 

保険金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成14年(受)第218号

【判決日付】      平成15年12月9日

【判示事項】      1 火災保険契約の申込者が同契約に付帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分、不適切な点があったことを理由とする慰謝料請求の可否

             2 火災保険契約の申込者が同契約に付帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分な点があったとしても慰謝料請求権の発生を肯認し得る違法行為と評価すべき特段の事情が存するものとはいえないとされた事例

【判決要旨】      1 火災保険契約の申込者は,特段の事情が存しない限り,同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分,不適切な点があったことを理由として,慰謝料を請求することはできない。

             2 火災保険契約の申込者が,同契約を締結するに当たり,同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をする場合において,火災保険契約の申込書には「地震保険は申し込みません」との記載のある欄が設けられ,申込者が地震保険に加入しない場合にはこの欄に押印をすることとされていること,当該申込者が上記欄に自らの意思に基づき押印をしたこと,保険会社が当該申込者に対し地震保険の内容等について意図的にこれを秘匿したという事実はないことなど判示の事情の下においては,保険会社側に,火災保険契約の申込者に対する地震保険の内容等に関する情報の提供や説明において不十分な点があったとしても,慰謝料請求権の発生を肯認し得る違法行為と評価すべき特段の事情が存するものとはいえない。

【参照条文】      商法629

             民法415

             民法709

             民法710

             保険募集の取締に関する法律11-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集57巻11号1887頁

 

 

保険法

(損害保険契約の締結時の書面交付)

第六条 保険者は、損害保険契約を締結したときは、遅滞なく、保険契約者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

一 保険者の氏名又は名称

二 保険契約者の氏名又は名称

三 被保険者の氏名又は名称その他の被保険者を特定するために必要な事項

四 保険事故

五 その期間内に発生した保険事故による損害をてん補するものとして損害保険契約で定める期間

六 保険金額(保険給付の限度額として損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。)又は保険金額の定めがないときはその旨

七 保険の目的物(保険事故によって損害が生ずることのある物として損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。)があるときは、これを特定するために必要な事項

八 第九条ただし書に規定する約定保険価額があるときは、その約定保険価額

九 保険料及びその支払の方法

十 第二十九条第一項第一号の通知をすべき旨が定められているときは、その旨

十一 損害保険契約を締結した年月日

十二 書面を作成した年月日

2 前項の書面には、保険者(法人その他の団体にあっては、その代表者)が署名し、又は記名押印しなければならない。

 

 

民法

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

 

 

詐害行為の受益者と取消債権者の債権の消滅時効の援用

 

 

              所有権移転登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成6年(オ)第586号

【判決日付】      平成10年6月22日

【判示事項】      詐害行為の受益者と取消債権者の債権の消滅時効の援用

【判決要旨】      詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができる。

【参照条文】      民法145

             民法424

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集52巻4号1195頁

 

 

民法

(時効の援用)

第百四十五条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

 

(詐害行為取消請求)

第四百二十四条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

2 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。

3 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。

4 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。