出資法2条11条と憲法14条
最2小判昭和36年9月8日 刑集15巻8号1317頁
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律違反被告事件
【判示事項】 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律2条11条と憲法14条
【判決要旨】 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律2条11条は憲法14条に違反しない。
【参照条文】 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律2 (預り金の禁止)、11
憲法14
憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律
(預り金の禁止)
第二条 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。
2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
一 預金、貯金又は定期積金の受入れ
二 社債、借入金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの
(高金利の処罰)
第五条 金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
2 前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
3 前二項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
「 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律2条、11条が公共の福祉を維持するため必要でありかつ合理性のある措置として是認されなければならないことは当裁判所大法廷の判例(昭和34年(あ)第2414号同36年4月26日大法廷判決)とするところであって、右法律2条が業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者のみに業として預り金をすることを認め、それ以外の者に対してはこれを営むことを禁止していても、なんら憲法14条に違反するものでないことは、前記判例の趣旨よりして明らかであるから、所論は理由がない。」