選挙の効力に関する訴願で主張されていない事実を選挙の効力に関する判決の基礎とすることの可否
市議会議員選挙無効裁決取消請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和28年(オ)第516号
【判決日付】 昭和29年10月14日
【判示事項】 1、選挙の効力に関する訴願で主張されていない事実を選挙の効力に関する判決の基礎とすることの可否
2、選挙の効力に関する訴願裁決庁の職権による事実探知の可否
3、選挙争訟における公職選挙法第209条の2の適用の有無
【判決要旨】 1、選挙の効力に関する訴願で主張されていない事実でも、訴訟で当事者が主張した事実は選挙の効力に関する判決の基礎とすることができる。
2、選挙の効力に関する訴願の審理に際し、裁決庁は訴願人の主張しない事実を職権によつて探知することができる。
3、公職選挙法第209条の2は当選の効力に関する争訟についての規定であつて、選挙の効力について争訟が提起された場合には適用がない。
【参照条文】 公職選挙法202
公職選挙法203
公職選挙法209の2
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集8巻10号1858頁
公職選挙法
(地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する異議の申出及び審査の申立て)
第二百二条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において、その選挙の効力に関し不服がある選挙人又は公職の候補者は、当該選挙の日から十四日以内に、文書で当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に対して異議を申し出ることができる。
2 前項の規定により市町村の選挙管理委員会に対して異議を申し出た場合において、その決定に不服がある者は、その決定書の交付を受けた日又は第二百十五条の規定による告示の日から二十一日以内に、文書で当該都道府県の選挙管理委員会に審査を申し立てることができる。
(地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する訴訟)
第二百三条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において、前条第一項の異議の申出若しくは同条第二項の審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に不服がある者は、当該都道府県の選挙管理委員会を被告とし、その決定書若しくは裁決書の交付を受けた日又は第二百十五条の規定による告示の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。
2 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する訴訟は、前条第一項又は第二項の規定による異議の申出又は審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に対してのみ提起することができる。
(当選の効力に関する争訟における潜在無効投票)
第二百九条の二 当選の効力に関する異議の申出、審査の申立て又は訴訟の提起があつた場合において、選挙の当日選挙権を有しない者の投票その他本来無効なるべき投票であつてその無効原因が表面に現れない投票で有効投票に算入されたことが推定され、かつ、その帰属が不明な投票があることが判明したときは、当該選挙管理委員会又は裁判所は、第九十五条又は第九十五条の二若しくは第九十五条の三の規定の適用に関する各公職の候補者又は各衆議院名簿届出政党等若しくは各参議院名簿届出政党等の有効投票の計算については、その開票区ごとに、各公職の候補者又は各衆議院名簿届出政党等若しくは各参議院名簿届出政党等の得票数(各参議院名簿届出政党等の得票数にあつては、当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者(当該選挙の期日において公職の候補者たる者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の得票数を含むものをいう。)から、当該無効投票数を各公職の候補者又は各衆議院名簿届出政党等若しくは各参議院名簿届出政党等の得票数(各参議院名簿届出政党等の得票数にあつては、当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者の得票数を含むものをいう。)に応じてあん分して得た数をそれぞれ差し引くものとする。
2 前項の場合において、各参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者の有効投票及び当該参議院名簿届出政党等の有効投票(当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者の有効投票を含まないものをいう。)の計算については、その開票区ごとに、各参議院名簿登載者の得票数及び当該参議院名簿届出政党等の得票数(当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者の得票数を含まないものをいう。以下この項において同じ。)から、前項の規定によりあん分して得た数を各参議院名簿登載者の得票数及び当該参議院名簿届出政党等の得票数に応じてあん分して得た数をそれぞれ差し引くものとする。