裁判の脱漏は上告理由になるか 源泉徴収所得税額決定取消請求上告事件 最高裁 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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裁判の脱漏は上告理由になるか

 

 

              源泉徴収所得税額決定取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷/昭和36年(オ)第500号

【判決日付】      昭和37年6月9日

【判示事項】      一、裁判の脱漏は上告理由になるか

             二、再調査の決定の理由付記に欠陥がないとされた事例

【判決要旨】      (1) 裁判所が請求の一部につき裁判を脱漏した場合は、当該裁判所に対する追加判決申立の方法によりその補充を求めることができるから、これをもつて上告適法の理由とはなし得ない。

             (2) 原審は、その判決理由において、いわゆる仮払金が貸付金であり、その利息相当額を賞与と認定し、これに対する所得税及び加算税を上告人より徴収することは違法でないとしているから、原判文上特に各法条を掲げ、見解を明示しなくても欠けるところがない。

【掲載誌】        訟務月報9巻8号1025頁

             最高裁判所裁判集民事61号267頁

             税務訴訟資料36号690頁