婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失っていても婚姻が有効に成立するとされた事例
婚姻無効確認請求事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷判決/昭和45年(オ)第104号
【判決日付】 昭和45年4月21日
【判示事項】 婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失っていても婚姻が有効に成立するとされた事例
【判決要旨】 将来婚姻することを約して性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつその意志に基づいて婚姻の届書を作成したときは、かりに届出の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届出の受理により婚姻は有効に成立するものと解すべきである。
【参照条文】 民法739
民法742
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事99号137頁
判例時報596号43頁
民法
(婚姻の届出)
第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
(婚姻の無効)
第七百四十二条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。