公立高等学校の生徒の政治的活動に対する規制の合理性
退学処分取消請求控訴事件
【事件番号】 東京高等裁判所判決/昭和48年(行コ)第74号
【判決日付】 昭和52年3月8日
【判示事項】 1、公立高等学校に在学中退学処分を受けたまま大学に入学しもはや高等学校に復帰する意思を有しない者に退学処分取消の訴の利益が肯認された事例
2、公立高等学校の生徒の政治的活動に対する規制の合理性
3、公立高等学校の生徒に対する退学処分の効力が肯認された事例
【参照条文】 行政事件訴訟法9
学校教育法11
【掲載誌】 判例時報856号26頁
【評釈論文】 別冊ジュリスト118号106頁
行政事件訴訟法
(原告適格)
第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
学校教育法
第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
第五十九条 高等学校に関する入学、退学、転学その他必要な事項は、文部科学大臣が、これを定める。
学校教育法施行規則
第九十四条 生徒が、休学又は退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならない。