非業務用の資産として取得された土地の買受代金支出に引き当てるべき金額を他から借り入れた場合の借入 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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非業務用の資産として取得された土地の買受代金支出に引き当てるべき金額を他から借り入れた場合の借入金利子は、譲渡所得の課税上、所得金額から控除される取得費に含まれるとされた事例

 

 

所得税更正処分等取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和52年(行コ)第56号

【判決日付】      昭和54年6月26日

【判示事項】      非業務用の資産として取得された土地の買受代金支出に引き当てるべき金額を他から借り入れた場合の借入金利子は、譲渡所得の課税上、所得金額から控除される取得費に含まれるとされた事例

【判決要旨】      一、資産を取得するための借入金に対する利子は、その借入れ及び利子支払いが資産取得に必要かつ相当と認められる限り、譲渡所得金額の計算上「取得に要した金額」として控除される。

             二、非業務用資産を取得するための借入金に対する利子が譲渡所得金額の計算上「取得に要した金額」とされるためには、借入れ又は利子支払いが当核資産の使用開始の日までに行われることを要しない。

【参照条文】      所得税法38-1

【掲載誌】        行政事件裁判例集30巻6号1167頁

             訟務月報25巻11号2873頁

             東京高等裁判所判決時報民事30巻6号160頁

             判例タイムズ392号40頁

             金融・商事判例597号23頁

             判例時報945号36頁

             税務訴訟資料105号855頁

 

所得税法

(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)

第三十八条  譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とする。

2  譲渡所得の基因となる資産が家屋その他使用又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。

一  その資産が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間  第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額 

二  前号に掲げる期間以外の期間  第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額