譲渡担保権設定者の目的不動産についての引渡しないし明渡債務の履行の提供と譲渡担保権者の清算金支払債務についての履行遅滞の責任
土地所有権移転登記抹消登記手続等請求本訴、建物明渡請求反訴事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/平成11年(受)第663号
【判決日付】 平成15年3月27日
【判示事項】 譲渡担保権設定者の目的不動産についての引渡しないし明渡債務の履行の提供と譲渡担保権者の清算金支払債務についての履行遅滞の責任
【判決要旨】 譲渡担保権の実行に伴って譲渡担保権設定者が取得する清算金請求権と譲渡担保権者の目的不動産についての引渡しないし明渡しの請求権とは同時履行の関係に立ち、譲渡担保権者は、譲渡担保権設定者から上記引渡しないし明渡しの債務の履行の提供を受けるまでは、自己の清算金支払債務の全額についいて履行遅滞による責任を負わない。
【参照条文】 民法369
民法412
民法533
【掲載誌】 金融法務事情1702号72頁
【評釈論文】 判例タイムズ1150号100頁
民法
(抵当権の内容)
第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。
(履行期と履行遅滞)
第四百十二条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
(同時履行の抗弁)
第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。