見せ金による株式払込の効力
売掛代金請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/昭和35年(オ)第1154号
【判決日付】 昭和38年12月6日
【判示事項】 いわゆる見せ金による株式払込の効力
【判決要旨】 当初から真実の株式の払込として会社資金を確保するの意図なく、一時的の借入金を以て単に払込の外形を整え、株式会社成立の手続後直ちに右払込金を払い戻してこれを借入先に返済したような場合には、有効な株式払込がなされたとはいえない。
【参照条文】 商法177
商法192
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集17巻12号1633頁
見せ金(みせがね)とは、会社の発起人または取締役が、払込取扱金融機関以外の者から借入をして、これを払込金として現実に払込取扱金融機関に払い込み、設立登記後または新株発行の変更登記を終了すると直ちに払込金を引き出して借入金に返済する行為のこと。
したがって、そのような架空の増資を登記すれば公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)・同行使罪(刑法158条1項)に問われる。(最高裁判決昭和40・6・24,最高裁平成3・2・28)
税務的には、貸付金に返済される見込みがなく、いつまで回収されないようであれば、出資者に対する賞与として認定され、課税される可能性がある。
会社法
(出資の履行を仮装した場合の責任等)
第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。
5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。