民法(債権法)の平成29年改正その12 第13章 連帯債務に関する見直し | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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第13章 連帯債務に関する見直し

連帯債務に関する見直し

連帯債務者の1人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる(旧法§434)。

連帯債務者の一人についての免除、消滅時効の完成も、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者にも効力が生ずる(旧法§437、439)。

連帯債務の絶対的効力事由を削減する。

連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

連帯債務者の一人についての免除、消滅時効の完成も、他の連帯債務者にも効力が生じない。

※ 本来は連帯債務者Aに生じても他の連帯債務者Bに効力が生じない事由(相対的効力事由)に関し、債権者Cと他の連帯債務者Bにおいて、Aにその事由が生ずればBにもその効力が生ずるなどという別段の意思を表示していたときは、

Aに生じた事由のBに対する効力は,その意思に従う(新§441但書)。

※ 連帯保証人についても、同様の改正(保証人に対する履行の請求は、主債務者に対して効力を生じない。新§458参照)。

改正法の内容

(旧法)

(問題の所在)

絶対的効力事由とした結果、次のような問題が生ずる。

連帯債務者の一人に対する履行の請求があったとしても、他の連帯債務者は当然にはそのことを知らず、いつの間にか履行遅滞に陥っていたなどといった不測の損害を受けるおそれがある。

免除をした結果、他の連帯債務者に対して請求することができる額が減少するが、これは免除をした債権者の意思に反するおそれがある。

ある特定の連帯債務者から履行を受けるつもりであっても、全ての連帯債務者との関係で消滅時効の完成を阻止する措置をとらなければならず、債権者の負担は大きい。

相殺禁止の対象となる不法行為債権を次の①②に限定し、それ以外は相殺可能に

① 加害者の悪意による不法行為に基づく損害賠償(← a 誘発防止という観点)

② 生命・身体を侵害する不法行為に基づく損害賠償(← b 現実弁償が必要という観点)

※ ②に関連して、一般の債務不履行に基づく生命・身体の侵害による損害賠償も相殺を禁止している。