土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,上記売買の当時,買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例
損害賠償等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/平成23年(受)第1490号
【判決日付】 平成25年3月22日
【判示事項】 土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,上記売買の当時,買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例
【判決要旨】 土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において、土地区画整理組合が組合員に賦課金を課する旨を総代会において決議するに至ったのは、上記売買後に開始された保留地の分譲が芳しくなかったためであり、上記売買の当時、土地区画整理組合において組合員に賦課金を課することが具体的に予定されていたことは全くうかがわれないこと、上記決議が上記売買から数年も経過した後にされたことなど判示の事情のもとにおいては、上記売買の当時、買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえない。
【参照条文】 民法570
土地区画整理法40-1
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事243号83頁
裁判所時報1576号79頁
判例タイムズ1389号91頁
判例時報2184号33頁
金融法務事情1976号80頁
民法
(移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)
第五百六十五条 前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。
(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
土地区画整理法
(経費の賦課徴収)
第四十条 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
2 賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を考慮して公平に定めなければならない。
3 組合員は、賦課金の納付について、相殺をもつて組合に対抗することができない。
4 組合は、組合員が賦課金の納付を怠つた場合においては、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。