東芝機械ココム違反事件
外国為替及び外国貿易管理法違反被告事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/昭和62年(特わ)第1547号
【判決日付】 昭和63年3月22日
【判示事項】 ココム規制に違反してソ連へプロペラ加工用大型工作機械の部品のを輸出しコンピューター・プログラム用の修正ソフトを提供したことが、外国為替及び外国貿易管理法(昭和62年法律第89号による改正前のもの)73条1項、70条29号、20号、48条1項、25条2号等に違反するとされた事例
(東芝機械ココム違反事件)
【参照条文】 外国為替及び外国貿易管理法附則8
外国為替及び外国貿易管理法(昭和62年法律第89号による改正前)73-1
外国為替及び外国貿易管理法70
外国為替及び外国貿易管理法48-1
外国為替及び外国貿易管理法25
輸出貿易管理令附則5
輸出貿易管理令(昭和62年政令第373号による改正前)1-1
輸出貿易管理令別表(昭和62年政令第373号による改正前)1の115
外国為替管理令17の2
外国為替管理令別表15
外国為替管理令20
【掲載誌】 判例タイムズ670号257頁
判例時報1276号30頁
ココム
対共産圏輸出統制委員会(たいきょうさんけんゆしゅつとうせいいいんかい、英語: Coordinating Committee for Multilateral Export Controls; COCOM(ココム))は、冷戦期に資本主義主要諸国間で設立されていた共産主義諸国への軍事技術・戦略物資の輸出規制(或いは禁輸)のための委員会。本部はフランスのパリ。
外国為替及び外国貿易法
第七十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 第五十五条の三第六項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第六十七条第一項の規定により付した条件に違反した者
第七十条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の三倍が百万円を超えるときは、罰金は、当該価格の三倍以下とする。
一 第八条の規定に違反して支払等をしたとき。
二 第九条第一項の規定に基づく命令の規定に違反して取引、行為又は支払等をしたとき。
三 第十六条第一項から第三項までの規定に基づく命令の規定による許可を受けないで、又は同条第五項の規定に違反して支払等をしたとき。
四 第十六条の二の規定による支払等の禁止に違反して、又は同条の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで支払等をしたとき。
五 第十七条の二第二項(第十七条の三、第十七条の四第一項及び第五十五条の九の四第三項において準用する場合を含む。)の規定による停止又は制限に違反して、外国為替取引又は電子決済手段等の移転等に係る業務を行つたとき。
六 第十九条第一項又は第二項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで、同条第一項に規定する支払手段又は証券若しくは貴金属を輸出し、又は輸入したとき。
七 第二十一条第一項又は第二項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで資本取引をしたとき。
八 第二十二条第一項の規定による資本取引の禁止に違反して、又は同項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで資本取引をしたとき。
九 第二十二条第二項の規定に違反して経理したとき。
十 第二十三条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして、対外直接投資を行つたとき。
十一 第二十三条第三項又は第五項の規定に違反してこれらの規定に規定する期間中に対外直接投資を行つたとき。
十二 第二十三条第七項の規定に違反して対外直接投資を行つたとき。
十三 第二十三条第九項の規定による変更又は中止の命令に違反して対外直接投資を行つたとき。
十四 第二十四条第一項又は第二項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで特定資本取引をしたとき。
十五 第二十四条の二の規定による特定資本取引の禁止に違反して、又は同条の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで特定資本取引をしたとき。
十六 第二十五条第三項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで同項第二号に定める行為をしたとき。
十七 第二十五条第五項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める役務取引をしたとき。
十八 第二十五条第六項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで役務取引等を行つたとき。
十九 第二十五条の二第一項又は第二項の規定による技術の提供を目的とする取引若しくは技術記録媒体等輸出若しくは国外技術送信又は貨物の輸出の禁止に違反して取引若しくは技術記録媒体等輸出若しくは国外技術送信又は輸出をしたとき。
二十 第二十五条の二第三項の規定による貨物の売買、貸借若しくは贈与に関する取引又は貨物の輸出の禁止に違反して取引又は輸出をしたとき。
二十一 第二十五条の二第四項の規定による役務取引等の禁止に違反して、又は同項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで役務取引等をしたとき。
二十二 第二十七条第一項(同条第十三項又は第十四項の規定によりみなして適用する場合を含む。)又は第二十八条第一項(同条第八項又は第九項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして、対内直接投資等若しくは特定取得又はこれらに相当するものをしたとき。
二十三 第二十七条第二項(同条第十三項又は第十四項の規定によりみなして適用する場合を含む。)又は第二十八条第二項(同条第八項又は第九項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定に違反して、第二十九条第六項に規定する禁止期間中に対内直接投資等若しくは特定取得又はこれらに相当するものをしたとき。
二十四 第二十七条第八項(同条第十三項又は第十四項の規定によりみなして適用する場合及び第二十八条第七項(同条第八項又は第九項の規定によりみなして適用する場合を含む。次号において同じ。)において準用する場合を含む。)の規定に違反して対内直接投資等若しくは特定取得又はこれらに相当するものをしたとき。
二十五 第二十七条第十項(同条第十三項又は第十四項の規定によりみなして適用する場合及び第二十八条第七項において準用する場合を含む。)の規定による変更又は中止の命令に違反して対内直接投資等若しくは特定取得又はこれらに相当するものをしたとき。
二十六 第二十九条第一項から第四項まで(第二十七条第十三項若しくは第十四項又は第二十八条第八項若しくは第九項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき又は第二十九条第五項(第二十七条の二第六項若しくは第七項又は第二十八条の二第六項若しくは第七項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき。
二十七 第三十条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして、技術導入契約の締結等をしたとき。
二十八 第三十条第二項の規定に違反して、同項に規定する期間(同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮された期間)中に技術導入契約の締結等をしたとき。
二十九 第三十条第七項において準用する第二十七条第八項の規定に違反して技術導入契約の締結等をしたとき。
三十 第三十条第七項において準用する第二十七条第十項の規定による変更又は中止の命令に違反して技術導入契約の締結等をしたとき。
三十一 第五十一条の規定に基づく命令の規定に違反して貨物の船積をしたとき。
三十二 第五十三条第一項の規定による貨物の輸出又は特定技術の提供を目的とする取引若しくは特定記録媒体等の輸出若しくは特定技術を内容とする情報の送信の禁止に違反して輸出又は取引若しくは特定記録媒体等の輸出若しくは情報の送信をしたとき。
三十三 第五十三条第二項の規定による貨物の輸出又は輸入の禁止に違反して輸出又は輸入をしたとき。
三十四 第五十三条第三項又は第四項の規定による命令に違反したとき。
三十五 第六十七条第一項の規定により付した第二十五条第一項若しくは第四項又は第四十八条第一項の許可の条件に違反したとき。
三十六 偽りその他不正の手段により第二十五条第一項、同条第二項若しくは第三項の規定に基づく命令若しくは同条第四項、第四十八条第一項若しくは同条第二項若しくは第三項の規定に基づく命令又は第五十二条の規定に基づく命令の規定による許可又は承認を受けたとき。
2 前項第十六号(第二十五条第三項第二号イに係る部分に限る。)の未遂罪は、罰する。
(輸出の許可等)
第四十八条 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、同項の特定の種類の貨物を同項の特定の地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする者に対し、政令で定めるところにより、許可を受ける義務を課することができる。
3 経済産業大臣は、前二項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者又は特定の取引により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持のため、外国貿易及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するために必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。
(役務取引等)
第二十五条 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の種類の貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術(以下「特定技術」という。)を特定の外国(以下「特定国」という。)において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者若しくは非居住者又は特定技術を特定国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者は、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、特定技術を特定国以外の外国において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者若しくは非居住者又は特定技術を特定国以外の外国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者に対し、政令で定めるところにより、当該取引について、許可を受ける義務を課することができる。
3 経済産業大臣は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める行為をしようとする者に対し、政令で定めるところにより、当該行為について、許可を受ける義務を課することができる。
一 第一項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき 同項の取引に関する次に掲げる行為
イ 特定国を仕向地とする特定技術を内容とする情報が記載され、又は記録された文書、図画又は記録媒体(以下「特定記録媒体等」という。)の輸出
ロ 特定国において受信されることを目的として行う電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下同じ。)による特定技術を内容とする情報の送信(本邦内にある電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。)からの送信に限る。以下同じ。)
二 前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき 同項の取引に関する次に掲げる行為
イ 特定国以外の外国を仕向地とする特定記録媒体等の輸出
ロ 特定国以外の外国において受信されることを目的として行う電気通信による特定技術を内容とする情報の送信
4 居住者は、非居住者との間で、国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
5 居住者は、非居住者との間で、役務取引(労務又は便益の提供を目的とする取引をいう。以下同じ。)であつて、鉱産物の加工その他これに類するものとして政令で定めるもの(第三十条第一項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く。)を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該役務取引について、主務大臣の許可を受けなければならない。ただし、次項の規定により主務大臣の許可を受ける義務が課された役務取引に該当するものについては、この限りでない。
6 主務大臣は、居住者が非居住者との間で行う役務取引(特定技術に係るもの及び第三十条第一項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く。)又は外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借若しくは贈与に関する取引(第四項に規定するものを除く。)(以下「役務取引等」という。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該役務取引等を行おうとする居住者に対し、当該役務取引等を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。
輸出貿易管理令
(輸出の許可)
第一条 外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号。以下「法」という。)第四十八条第一項に規定する政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出は、別表第一中欄に掲げる貨物の同表下欄に掲げる地域を仕向地とする輸出とする。
2 法第四十八条第一項の規定による許可を受けようとする者は、経済産業省令で定める手続に従い、当該許可の申請をしなければならない。
外国為替管理令
(役務取引の許可等)
第十七条 法第二十五条第一項に規定する政令で定める特定の種類の貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術(以下この項、次項及び第十八条の二第一項において「特定技術」という。)を特定の外国(以下この項において「特定国」という。)において提供することを目的とする取引又は特定技術を特定国の非居住者に提供することを目的とする取引は、別表中欄に掲げる技術を同表下欄に掲げる外国において提供することを目的とする取引又は同表中欄に掲げる技術を同表下欄に掲げる外国の非居住者に提供することを目的とする取引とする。
2 法第二十五条第三項第一号に定める行為をしようとする者(当該行為に係る特定技術を提供することを目的とする取引について同条第一項の許可を受けている者を除く。)は、経済産業省令で定める手続に従い、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、経済産業大臣が当該行為の主体、内容その他からみて法の目的を達成するため特に支障がないと認めて指定した行為については、この限りでない。
3 法第二十五条第四項に規定する政令で定める外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引は、次のいずれかに該当する取引とする。
一 輸出貿易管理令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物の外国相互間の移動を伴う当該貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引
二 輸出貿易管理令別表第一の二から一六までの項の中欄に掲げる貨物の外国相互間の移動を伴う当該貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引(当該取引に係る貨物の船積地域又は仕向地が同令別表第三に掲げる地域であるものを除く。)であつて、次のいずれかに該当するもの
イ 当該取引に係る当該貨物が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であつてその射程若しくは航続距離が三百キロメートル以上のもの(ロ及び第二十七条第二項において「核兵器等」という。)の開発、製造、使用又は貯蔵(ロにおいて「開発等」という。)のために用いられるおそれがある場合として経済産業省令で定める場合に該当する場合における当該取引
ロ 当該取引に係る当該貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがあるものとして経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けた場合における当該取引
4 法第二十五条第一項又は第四項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定める手続により、当該許可の申請をしなければならない。
5 第一項又は第三項に規定する取引のうち経済産業大臣が当該取引の当事者、内容その他からみて法の目的を達成するため特に支障がないと認めて指定したものについては、法第二十五条第一項又は第四項の規定による経済産業大臣の許可を受けないで当該取引をすることができる。