建物の賃借人から敷金がさしいれられている場合と賃料延滞を理由とする契約解除
家屋明渡等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/昭和45年(オ)第433号
【判決日付】 昭和45年9月18日
【判示事項】 建物の賃借人から敷金がさしいれられている場合と賃料延滞を理由とする契約解除
【判決要旨】 建物の賃借人から賃貸人に対し敷金がさしいれられている場合においても、特段の事情のないかぎり、賃借人が賃料を延滞したときは、これを理由に賃貸人は賃貸借契約を解除することができ、右差入敷金額が16万円、延滞賃料が20万円で、差引をした場合には賃料の延滞分が1か月分にも充たないとしても、右契約解除が信義則に反し権利濫用となるものではない。
【参照条文】 民法619
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事100号453頁
判例タイムズ255号144頁
判例時報612号57頁
民法
(賃貸借の更新の推定等)
第六百十九条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の規定により解約の申入れをすることができる。
2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金については、この限りでない。
第六百二十二条の二 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。