信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことと、当該貸出稟議書が民法二二〇条四号八所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情
文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷決定/平成11年(許)第35号
【判決日付】 平成12年12月14日
【判示事項】 信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことと、当該貸出稟議書が民法二二〇条四号八所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情
【判決要旨】 信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことは、当該貸出稟議書が民訴法220条4号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情とはいえない。
【参照条文】 民事訴訟法220
信用金庫法39
商法267
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集54巻9号2709頁
民事訴訟法
(文書提出義務)
第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。
二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。
三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書
ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)
ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書
信用金庫法
(役員等の責任)
第三十九条 理事、監事又は会計監査人(以下「役員等」という。)は、その任務を怠つたときは、金庫に対し、これによつて生じた損害を賠償する責任を負う。
2 第三十五条の五第一項各号の取引によつて金庫に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠つたものと推定する。
一 第三十五条の五第一項の理事
二 金庫が当該取引をすることを決定した理事
三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事
3 第一項の責任は、総会員の同意がなければ、免除することができない。
4 前項の規定にかかわらず、第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から当該役員等がその在職中に金庫から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として内閣府令で定める方法により算定される額に、次の各号に掲げる役員等の区分に応じ、当該各号に定める数を乗じて得た額を控除して得た額を限度として、総会の決議によつて免除することができる。
一 代表理事 六
二 代表理事以外の理事であつて、次に掲げるもの 四
イ 理事会の決議によつて金庫の業務を執行する理事として選定されたもの
ロ 当該金庫の業務を執行した理事(イに掲げる理事を除く。)
三 前二号に掲げる理事以外の理事、監事又は会計監査人 二
5 前項の場合には、理事は、同項の総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一 責任の原因となつた事実及び賠償の責任を負う額
二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
三 責任を免除すべき理由及び免除額
6 理事は、第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を総会に提出するには、各監事の同意を得なければならない。
7 第四項の決議があつた場合において、金庫が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の内閣府令で定める財産上の利益を与えるときは、総会の承認を受けなければならない。
8 第三十五条の五第一項第一号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第一項の責任は、任務を怠つたことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもつて免れることができない。
9 第四項の規定は、前項の責任については、適用しない。