錯誤または詐欺による取消しの主張につき擬制自白の成立が認められなかつた事例
売掛代金(本訴)損害賠償(反訴)請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和42年(オ)第1357号
【判決日付】 昭和43年3月28日
【判示事項】 錯誤または詐欺による取消しの主張につき擬制自白の成立が認められなかつた事例
【判決要旨】 立木の売主甲より買主乙に対する売渡代金の請求訴訟において、甲勝訴の1審判決後の控訴審で、甲が弁論期日に出頭せず、右買受けの意思表示は要素の錯誤により無効であるか、または詐欺により取り消された旨の乙の新たな主張につき、甲が認否しなかつたとしても、甲が右訴訟を維持している等の事実があるときは、甲は乙の右主張を争つているものと認めるのが相当である。
【参照条文】 民事訴訟法140-3
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集22巻3号707頁
民事訴訟法
(自白の擬制)
第百五十九条 当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。
2 相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。
3 第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。