国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法九条一項と憲法一五条、一四条
損害賠償請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/平成4年(オ)第1928号
【判決日付】 平成5年2月26日
【判示事項】 国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法九条一項と憲法一五条、一四条
【判決要旨】 国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法九条一項の規定は、憲法一五条、一四条に違反しない。
【参照条文】 憲法14-1
憲法15-1
公職選挙法9-1
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事167号下579頁
最高裁判所裁判集民事167号579頁
判例タイムズ812号166頁
判例時報1452号37頁
憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
公職選挙法
(選挙権)
第九条 日本国民で年齢満十八年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
2 日本国民たる年齢満十八年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
3 日本国民たる年齢満十八年以上の者でその属する市町村を包括する都道府県の区域内の一の市町村の区域内に引き続き三箇月以上住所を有していたことがあり、かつ、その後も引き続き当該都道府県の区域内に住所を有するものは、前項に規定する住所に関する要件にかかわらず、当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する。
4 前二項の市町村には、その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村(この項の規定により当該消滅した市町村に含むものとされた市町村を含む。)を含むものとする。
5 第二項及び第三項の三箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。