課税処分及び青色申告承認の取消処分と国税犯則取締法に基づく調査により収集された資料利用の許容性(積極)
法人税更正処分取消等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和62年(行ツ)第77号
【判決日付】 昭和63年3月31日
【判示事項】 課税処分及び青色申告承認の取消処分と国税犯則取締法に基づく調査により収集された資料利用の許容性(積極)
【判決要旨】 収税官吏が犯則嫌疑者に対し国税犯則取締法に基づく調査を行った場合に、課税庁が右調査により収集された資料を右の者に対する課税処分及び青色申告承認の取消処分を行うために利用することは許される。
【参照条文】 国税通則法24
法人税法127
国税犯則取締法1
国税犯則取締法2
【掲載誌】 訟務月報34巻10号2074頁
最高裁判所裁判集民事153号643頁
判例タイムズ667号92頁
金融・商事判例795号36頁
判例時報1276号39頁
国税通則法
(更正)
第二十四条 税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。
(間接国税以外の国税に関する犯則事件等についての告発)
第百五十五条 当該職員は、次に掲げる犯則事件の調査により犯則があると思料するときは、検察官に告発しなければならない。
一 間接国税以外の国税に関する犯則事件
二 申告納税方式による間接国税に関する犯則事件(酒税法第五十五条第一項又は第三項(罰則)の罪その他の政令で定める罪に係る事件に限る。)
(間接国税に関する犯則事件についての報告等)
第百五十六条 国税局又は税務署の当該職員は、間接国税に関する犯則事件(前条第二号に掲げる犯則事件を除く。以下同じ。)の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長又は所轄税務署長に報告しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。
一 犯則嫌疑者の居所が明らかでないとき。
二 犯則嫌疑者が逃走するおそれがあるとき。
三 証拠となると認められるものを隠滅するおそれがあるとき。
2 国税庁の当該職員は、間接国税に関する犯則事件の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長又は所轄税務署長に通報しなければならない。ただし、前項各号のいずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。