競売物件の表示として面積511・29平方メートルとされた土地の実測面積が439・98平方メートル | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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競売物件の表示として面積511・29平方メートルとされた土地の実測面積が439・98平方メートルである場合にその任意競売が数量指示売買でないとされた事例

 

 

              競落代金返還請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和62年(オ)第1110号

【判決日付】      昭和62年11月12日

【判示事項】      競売物件の表示として面積511・29平方メートルとされた土地の実測面積が439・98平方メートルである場合にその任意競売が数量指示売買でないとされた事例

【判決要旨】      土地の売買において、目的たる土地が登記簿上の地番・地目・面積の記載によって表示された場合であっても、一般に右の記載は当該土地を特定するためで、実際の面積を確保するためではないと解するのが相当であり、競売物件の表示として面積511・29平方メートルとされた土地の実測面積が439・98平方メートルであったとしても、特段の事情のない限り、その任意競売は数量指示売買であるということはできない。

【参照条文】      民法568

             民法565

             民事執行法188

             民事執行法71

【掲載誌】        金融法務事情1194号28頁

 

 

民法

(競売における担保責任等)

第五百六十八条 民事執行法その他の法律の規定に基づく競売(以下この条において単に「競売」という。)における買受人は、第五百四十一条及び第五百四十二条の規定並びに第五百六十三条(第五百六十五条において準用する場合を含む。)の規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。

2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。

3 前二項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。

4 前三項の規定は、競売の目的物の種類又は品質に関する不適合については、適用しない。

 

 

(移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)

第五百六十五条 前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。

 

 

民事執行法

(不動産執行の規定の準用)

第百八十八条 第四十四条の規定は不動産担保権の実行について、前章第二節第一款第二目(第八十一条を除く。)の規定は担保不動産競売について、同款第三目の規定は担保不動産収益執行について準用する。

 

(売却不許可事由)

第七十一条 執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。

一 強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。

二 最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代理人がその権限を有しないこと。

三 最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること。

四 最高価買受申出人、その代理人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。

イ その強制競売の手続において第六十五条第一号に規定する行為をした者

ロ その強制競売の手続において、代金の納付をしなかつた者又は自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者

ハ 第六十五条第二号又は第三号に掲げる者

五 最高価買受申出人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。

イ 暴力団員等(買受けの申出がされた時に暴力団員等であつた者を含む。)

ロ 法人でその役員のうちに暴力団員等に該当する者があるもの(買受けの申出がされた時にその役員のうちに暴力団員等に該当する者があつたものを含む。)

六 第七十五条第一項の規定による売却の不許可の申出があること。

七 売却基準価額若しくは一括売却の決定、物件明細書の作成又はこれらの手続に重大な誤りがあること。

八 売却の手続に重大な誤りがあること。