会社が従業員に対し,転職や独立を支援するために,通常の自己都合退職金に加え,特別加算金を支給する | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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会社が従業員に対し,転職や独立を支援するために,通常の自己都合退職金に加え,特別加算金を支給する早期割増退職金制度を通知したことは,契約の申込みではなく,申込みの誘引にすぎないとされた例

 

 

              退職金等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成12年(ワ)第16174号

【判決日付】      平成14年4月9日

【判示事項】      1 会社が従業員に対し,転職や独立を支援するために,通常の自己都合退職金に加え,特別加算金を支給する早期割増退職金制度を通知したことは,契約の申込みではなく,申込みの誘引にすぎないとされた例

             2 早期割増退職金制度には適用除外事由が具体的に規定されているから,申請者に適用を認めないことが信義に反する特段の事情がある場合には,使用者は,信義則上,承認を拒否することができないとされた例

             3 使用者が原告に対し,早期割増退職金制度の適用を認めなかったことが信義に反する特段の事情があるとはいえないとして,特別加算金の請求が棄却された例

             4 懲戒解雇に相当する事由が存しないにもかかわらず,懲戒解雇があり得ることを従業員に告知することは,労働者を畏怖させるに足りる違法な害悪の告知であるから,このような害悪の告知の結果なされた退職の意思表示が,強迫によるものとして,取り消し得るものとされた例

             5 従業員に対し,勤務記録の不正入力が懲戒解雇に値すると述べたことが,違法な害悪の告知に当たらないとされた例

【掲載誌】        労働判例829号56頁

             労働経済判例速報1810号15頁

 

 

労働契約法

(解雇)

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 

民法

(詐欺又は強迫)

第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。