ソーシャルレンディングの仲介業者による投資の勧誘が不法行為に該当するとされた事例
損害賠償請求事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成29年(ワ)第30571号
【判決日付】 令和2年6月30日
【判示事項】 ソーシャルレンディングの仲介業者による投資の勧誘が不法行為に該当するとされた事例
【判決要旨】 ホームページにおいて、信用リスクを分散するために複数の多様な投資対象案件が用意されており、その中から投資先を選ぶことができるような表示をして匿名組合の出資持分の取得を勧誘していたにもかかわらず、実際には、出資金の大部分が経済的一体性を有するグループ会社に貸し付けられていたなどの判示の事実関係のもとにおいては、上記勧誘は不法行為に該当する。
【参照条文】 民法709
民法719
【掲載誌】 金融・商事判例1599号18頁
金融法務事情2149号79頁
民法
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
ソーシャルレンディング(融資(貸付)型クラウドファンディング)とは、インターネットを用いてファンドの募集を行い、投資者からの出資を、ファンド業者を通じて企業等に貸し付ける仕組みをいい、ソーシャルレンディングの仲介者が行う行為は、ファンド持分の募集または私募の取扱い等に該当するため、金融商品取引法の規制対象となり、仲介者は、第二種金融商品取引業の登録を受ける必要がある(金融庁ホームぺージ)。