株式売渡請求に対する売渡株式の売買価格決定の申立てが却下された事例 株式売買価格決定申立事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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株式売渡請求に対する売渡株式の売買価格決定の申立てが却下された事例

 

 

株式売買価格決定申立事件

【事件番号】      長野地方裁判所決定/令和3年(ヒ)第2号

【判決日付】      令和3年10月8日

【判示事項】      株式売渡請求に対する売渡株式の売買価格決定の申立てが却下された事例

【判決要旨】      1 本件株式は、申立人を含む者らによって準共有されているところ、権利を行使する者の定めと対象会社に対する通知はないから、申立人は本件申立てをする適格を有しない。

             2 本件申立てにつき、申立人が管理行為のために必要な準共有者の共有持分の過半数の同意を得たこと、さらには変更に必要な他の準共有者の同意を得たことは認めることはできず、本件申立ては不適法である。

【参照条文】      民法251

             民法252

             民法264

             会社法106

【掲載誌】        金融・商事判例1633号30頁

 

 

民法

(共有物の変更)

第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

(共有物の管理)

第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

 

(準共有)

第二百六十四条 この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。

 

 

会社法

(共有者による権利の行使)

第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。