クレディ・スイス証券事件・リーマンショックによってグループ全体で多大な損失を被った被告Y社において,リストラ策の一環として,ハイリスクの金融商品販売から事実上の撤退が行われたなかで,同商品を主に扱ってきた原告Xに対する整理解雇の効力が否定された例
ジョブ職の整理解雇
損害賠償請求(甲事件)、地位確認等請求事件(乙事件)
【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成21年(ワ)第27520号、平成22年(ワ)第3837号
【判決日付】 平成23年3月18日
【判示事項】 1 いわゆるリーマンショックによってグループ全体で多大な損失を被った被告Y社において,リストラ策の一環として,ハイリスクの金融商品販売から事実上の撤退が行われたなかで,同商品を主に扱ってきた原告Xに対する整理解雇の効力が否定された例
2 約1年間におよぶ自宅待機命令後に行われた整理解雇について,他の従業員に対しては高額のIPC(インセンティブ・パフォーマンス・コンペンセイション・アワード)が支払われていることや,新規採用が行われていること等から,Xを解雇する業務上の必要性に比較して,Y社の解雇回避努力は明らかに不十分として解雇の効力が否定された例
3 Xの解雇期間中等のIPCの支払請求につき,Y社は極めて広範な裁量を有しており,それ自体は公序良俗に反するものでなく,具体的なIPCの支給基準についての合意もないとして,請求が棄却された例
【掲載誌】 労働判例1031号48頁
損害賠償,地位確認等請求控訴事件
【事件番号】 東京高等裁判所判決/平成23年(ネ)第2830号
【判決日付】 平成25年1月31日
【判示事項】 第1審被告会社(Y社)から退職勧奨を受け,自宅待機を命じられた後,解雇の意思表示を受けた第1審原告(X)が,解雇を違法・無効とし,地位確認と賃金請求及び不法行為の賠償請求。原審が解雇を無効とし,地位確認と賃金請求を認容したが,不法行為は構成しないとして,その余の請求を棄却したのに対し,双方が敗訴部分を不服として控訴した事案。控訴審も,Y社の解雇回避努力が不十分などとして解雇を無効とし,地位確認請求を認容,賃金請求のうち,固定給部分を若干減額した上で認容し,IPCについて,賃金の一部として退職勧告を受けた年度分(1046万円余)の請求を認容したが,不法行為等の成立は否定した事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載