民法第110条の代理権ありと信ずべき正当の理由にあたらない一事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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              仮登記抹消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和24年(オ)第153号

【判決日付】      昭和27年1月29日

【判示事項】      民法第110条の代理権ありと信ずべき正当の理由にあたらない一事例

【判決要旨】      夫が陸軍司令官として南方に赴任して不在中、妻が無断で夫を代理し、夫所有の土地建物の売買契約をした場合、たとえ当時妻が夫の実印を保管していた事実があり、また妻および仲介者等が買主に対し、自ら代理権があると告げた事実があつたとしても、それだけでは、未だ買主は、右売買契約の締結につき、妻において夫を代理すべき権限をもつていたと信ずべき正当の理由があつたということはできない。

【参照条文】      民法110

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集6巻1号49頁