原告が制作販売する結婚式招待状等の一部につき著作物性を認めた上,被告らが制作販売する結婚式招待状 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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原告が制作販売する結婚式招待状等の一部につき著作物性を認めた上,被告らが制作販売する結婚式招待状等はそれらの複製物ないし翻案物に当たらないと判断した事例

 

京都地方裁判所判決/平成28年(ワ)第3883号

平成30年1月31日

著作権侵害差止等請求事件

【判示事項】    原告が制作販売する結婚式招待状等の一部につき著作物性を認めた上,被告らが制作販売する結婚式招待状等はそれらの複製物ないし翻案物に当たらないと判断した事例

【参照条文】    著作権法2-1

          著作権法2-2

          著作権法21

          著作権法27

          民法709

          民法719

          著作権法112

【掲載誌】     判例タイムズ1455号203頁

【解説】

 1 本件は,菊花様の図柄を紙面上に箔押ししたデザインの結婚式招待状等(招待状,返信用はがき,席次表及び席札。以下「原告各商品」という。)を制作・販売する原告が,被告Y1がデザインし,被告Y2が制作,販売している結婚式招待状等(招待状,メニュー表及び席札。以下「被告各商品」と総称する。)に関し,①被告招待状は原告招待状及び原告席次表を,②被告席札は原告返信用はがき及び原告席札を,③被告メニュー表は原告招待状及び原告席次表をそれぞれ複製又は翻案したものであり,被告らによる被告各商品の制作及び販売は原告の著作権(複製権又は翻案権及び譲渡権)を侵害するものであると主張して,被告らに対し,著作権法112条1項,2項に基づく被告各商品の制作・販売の差止め及び廃棄並びに不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

 主な争点は,原告各商品の著作物性の有無(争点1)及び複製又は翻案権侵害の成否(争点2)である。