公開買付けの実施に関する事実の公表前に、公開買付者等関係者から情報伝達を受けた被告人が株券を買い付けたというインサイダー取引規制違反において、被告人につき、情報受領者として金融商品取引法167条3項の罪が成立する一方、情報伝達を行った公開買付者等関係者については、被告人との共謀の成立が認められないとされた事例
横浜地方裁判所/平成24年(わ)第1250号、平成24年(わ)第1395号
平成25年2月28日
金融商品取引法違反被告事件
【判示事項】 公開買付けの実施に関する事実の公表前に、公開買付者等関係者から情報伝達を受けた被告人が株券を買い付けたというインサイダー取引規制違反において、被告人につき、情報受領者として金融商品取引法167条3項の罪が成立する一方、情報伝達を行った公開買付者等関係者については、被告人との共謀の成立が認められないとされた事例
【判決要旨】 被告人は、公開買付者等関係者である証券会社の執行役員から、公開買付けの実施に関する事実についての情報を受領し、当該情報を知って上場会社の株券を買い付けたため、当該執行役員との共同正犯として起訴されたところ、被告人が取引実行の判断を行っており、また、取引による損益も被告人に帰属していることから、当該執行役員が自己の犯罪を犯したといえる程度に重要な役割を果たしたとはいえず、被告人と当該執行役員との間で共謀の成立は認められないが、被告人には情報受領者としてのインサイダー取引規制違反が認められる。
【参照条文】 金融商品取引法197の2
金融商品取引法167-3
金融商品取引法167-1
刑法60
【掲載誌】 金融法務事情1980号153頁