京都大学大学院生命科学研究科の修士課程に在籍していた原告が,特許権に係る発明(名称:「癌治療剤」 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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京都大学大学院生命科学研究科の修士課程に在籍していた原告が,特許権に係る発明(名称:「癌治療剤」)は,原告が在籍中に行った実験結果や論文に基づくもので,原告は発明者の一人であるとして同特許権を共有の被告らに対し,①発明者であることの確認,②特許権の持分の移転登録手続,③共同不法行為の賠償を,各求めた事案。

 

東京地方裁判所判決/平成29年(ワ)第27378号

令和2年8月21日

特許権持分一部移転登録手続等請求事件

【判示事項】    大学院生命科学研究科の修士課程に在籍していた原告が,特許権に係る発明(名称:「癌治療剤」)は,原告が在籍中に行った実験結果や論文に基づくもので,原告は発明者の一人であるとして同特許権を共有の被告らに対し,①発明者であることの確認,②特許権の持分の移転登録手続,③共同不法行為の賠償を,各求めた事案。

裁判所は,①の訴えは,給付請求をすれば足りるから,確認の利益はないとして却下した上,原告が本件発明の発明者か否かにつき,被告及び教授は,原告が研究室に入室する以前から,抗PD-L1抗体がPD-1分子とPD-L1分子の相互作用を阻害することにより,癌免疫の賦活をもたらすという技術的思想を共有し実証するための具体的な実験に着手していたといえ,同思想を着想したのは被告と教授であり原告は関与していないなどとし,給付請求部分を棄却した事例

【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載