公職選挙法第237条第2項にいう「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票する」罪の成否
東京高等裁判所判決/昭和28年(う)第1152号
昭和28年7月15日
公職選挙法違反被告事件
【判示事項】 1、公職選挙法第237条第2項にいう「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票する」罪の成否
2、同条第1項と第2項の関係
【判決要旨】 1、公職選挙法第237条第2項にいう「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票する」とは、他人の名を詐つて入場して投票し、あるいは、不法に投票用紙を入手して重投票をする等いやしくも詐偽の方法をもつて投票することをいい、この罪の成立に投票管理者等係員がその詐偽の方法により欺罔されると否とは何らの影響がない。
2、公職選挙法第237条第2項の罪は、同条第1項の罪の特別規定と解すべきものであるから、後者の罪は、詐偽の方法によらず何らかの事情によつて誤つて選挙人名簿に登録された者または選挙人名簿に登録された後に選挙権を喪失した者が、選挙人名簿に登録されていることを奇貨として、自己に選挙権のないことを知りながら投票をした場合などに成立するにすぎないと解すべきである。
【参照条文】 公職選挙法237-1
【掲載誌】 高等裁判所刑事判例集6巻7号886頁
東京高等裁判所判決時報刑事4巻2号31頁