税理士がその業務の履行に過失があったとして損害賠償責任が認められたが,会計監査法人はその業務の履行に過失はあったものの,税理士の行為とは客観的関連共同性がなく,損害との因果関係もないとされた事例
大阪地方裁判所判決/平成18年(ワ)第8656号
平成20年7月29日
損害賠償請求事件
【判示事項】 税理士がその業務の履行に過失があったとして損害賠償責任が認められたが,会計監査法人はその業務の履行に過失はあったものの,税理士の行為とは客観的関連共同性がなく,損害との因果関係もないとされた事例
【判決要旨】 1 株式会社が留保金課税の特例制度を利用するか否かは任意であり、これを利用しなくとも適法であるから、同制度を利用できたのに、その利用をしないことを前提として作成された株式会社の財務書類に対し、監査法人が適正意見を表明したことは、不法行為ないし債務不履行に該当しない。
2 税理士は、委任事務の処理にあたり、依頼者の指示が適切でないと判明した場合には、依頼者にその旨を指摘するなどして、依頼の趣旨に従って依頼者の信頼に応えるようにしなければならないから、税理士が、同制度の課税要件を誤り、留保金課税の特例制度が利用できたのに、その利用をしないことを前提とした法人税申告の税務代理をしたことは、不法行為ないし債務不履行に該当する。
【参照条文】 租税特別措置法68の2-1
租税特別措置法施行令39の34の2-8
租税特別措置法施行令39の34の2-9
民法644
民法656
民法418
民法709
民法719
民法415
株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律2
株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律7
税理士法1
税理士法2
【掲載誌】 判例タイムズ1290号163頁
金融・商事判例1305号54頁
判例時報2051号103頁